残念ながら、簿記検定1級の勉強をテキストだけで独学するという方はあまり見ないですね。
簿記3級や2級であればテキストだけでの独学でも不可能ではありません。しかし、効率が悪いです。さらに、1級の受験であればもはや独学では難しいです。
独学するぐらいなら、テキストを買うのと同じくらいの料金でテキストに講義に問題集に模擬試験までついて64,900円の格安通信講座「スタディング」を活用しましょう(関連記事:コスパ最高、簿記2級通信講座のおすすめは?税理士が解説)。
この記事では、簿記検定の独学について税理士の坂根が解説します。
ポイント
- 日商簿記3級、2級は独学で合格可能
- 日商簿記1級の独学合格はむずかしい
- 過去問に手を付ける必要は無い
- テキストを買って独学するより、人から教わった方がコスパが良い
- 格安通信講座スタディングだとテキストに講義、問題集に模擬試験までついて簿記3級で4,000円、簿記2級で2万円、簿記1級でも64,900円
スタディングなら大原の3分の1くらいの価格で勉強を始められます。独学するぐらいならスタディングを活用しましょう。
簿記検定はテキストのみで合格できる?
簿記検定はテキストのみの独学でも合格できます。
ただ、それは基本的に簿記3級、2級までです。しかも、テキストのみの独学は非常に効率が悪いです。
高校や塾に通わずに一流大学を目指す方ってほとんどいませんよね?人から教わらずに独学で勉強するのは、正直苦労します。今やっていることが合っているのか間違っているのかわかりませんし、周りにライバルがいないので今の自分のレベルがどのぐらいかの比較もできません。
わたしも高校生の頃、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレータやITパスポートなど、合格率30%ほどの国家試験は独学で勉強し、合格した経験があります。
ただ、それでも思うのは、テキストだけ買って独学するのは効率が悪いということです。
いまは、大原の3分の1の価格で勉強を始められる格安通信講座スタディングもありますので、お金が無くても独学せず、こちらを活用すると良いでしょう。
数千円、数万円がもったいない、その気持ちも理解できないわけではありません。ただ、その数千円、数万円は自分の糧になり、それ以上に稼ぐことができるようになります。
勉強にお金を払えないようであれば一生知識は増えていきませんので貧乏人確定です。お金を払って勉強することをお勧めします。
ちなみに級別に解説すると次の通りです。
簿記3級
簿記3級は独学で合格可能です。
難易度が低い試験ですので、テキストを買って合格というのは十分に可能です。ただ、使える知識になるかどうかは別問題なので、独学でない方が良いと思います。
簿記2級
簿記2級は、独学で合格可能です。
めちゃくちゃ簡単というわけではありませんが、難易度は低い試験ですので、テキストを買って合格というのは可能です。
ただ、3級と比べるとすこし難易度が上がります。独学だと効率が悪いのであまりおすすめしません。
簿記1級
簿記1級は、独学での合格は不可能ではないと思います。
ただ、簿記1級は体感で、簿記2級の10倍ぐらい難易度が跳ねあがります。
そのため、簿記1級に合格するためにはかなりの勉強時間を要します。合格したいなら独学はおすすめしません。
簿記検定の独学メリット・デメリット
簿記検定の独学メリットとデメリットを簡単にご紹介します。
簿記検定の独学メリット
簿記検定の独学メリットは「お金がかからない」の1点のみでしょう。
独学であればテキスト代だけしかかかりません。
そのため、「お金をかけずに簿記検定試験に合格したい」という目的のみであれば独学で良いでしょう。
簿記検定の独学デメリット
簿記検定の独学デメリットは数え切れませんが、代表的なところでいえば次の3つです。
ポイント
- 勉強指針が不明瞭
- モチベーションが続かない
- 余計に勉強時間が必要
勉強指針が不明瞭
独学では、何から勉強していくか、何を勉強するか自分で決めなければいけません。
テキストに沿って知識をインプットする、問題集を解いてアウトプットする、すべて自分でスケジュールを組んで勉強しなければいけません。
しかもゴールが明確でないため、どう勉強したらいいのかわからなくなってしまいます。
モチベーションが続かない
1人でテキストだけ買ってもモチベーションは続きません。
試験まで数か月の勉強機関がありますが、独学では、その間、毎日決めた時間勉強するのは至難の業です。
余計に勉強時間が必要
独学だと、わからないところを誰かに聞くこともできませんので、できないところを放っておくか、重要性が低いと考え、放置する可能性が高いです。
知識の習得は、だれかに教わりながら勉強した方が早いです。
税理士だって、セミナーに参加することはよくあります。税理士会でも研修がかなりの数、開催されています。それは、誰かに教わった方が早いからです。その人の経験から教わった方が強弱つけて勉強できますし、早く習得することができます。
日商簿記検定の過去問はやるべき?
日商簿記検定の過去問は、やらなくても大丈夫です。合格できます。
日商簿記検定において、過去問の重要性はさほど高くありません。少なくとも日商簿記検定の3級2級では全くいらないです(私はやっていませんでした)。
もちろん過去問に手を付けておいて損はありませんが、専門学校の模擬試験で過去問の内容も十分にカバーされているので、あえて過去問に触れる必要はありません。
日商簿記検定の過去問を無料で入手する方法
日商簿記検定の過去問は主催者である日本商工会議所のホームページでは公開されていません。
しかし、簿記検定の試験が終わった直後に、大原やTACなどの専門学校が解答速報を発行しています。
受験された方向けのものですが、だれでも無料でもらうことができるため、もし過去問が欲しい場合は大原等のホームページから手に入れると良いでしょう。
大原URL:https://www.o-hara.jp/course/boki_0102/bo1_answer_flash
ただし、手に入るのは直近の問題のみなので、古い過去問は手に入りません。
古い過去問を手に入れる方法は有料
直近の試験以外の過去問を手に入れるにはお金を出すしかありません。
著作権の問題だと思いますが、直近の試験以外の過去問は無料では発行されていません。
有料の場合は、たとえばTACが販売している「合格するための過去問題集 日商簿記2級 '21年2月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)」があります。
これは、直近12回分の本試験問題と、講師による問題別の攻略ポイントが整理してあります。1年分の問題が183円(2,200円÷12回)で手に入るのであればかなり安いです。
>>合格するための過去問題集 日商簿記2級 '21年2月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)
過去問にも手を付けて万全な状態で試験に挑みたいという方は買っておくと良いでしょう。
簿記検定の独学はおすすめしない
簿記検定の独学はおすすめしません。
3級はギリギリどうかな、といったレベルですが、2級以上を学ぶのであれば誰かから教わりましょう。
合格までに必要な勉強時間が増えるだけでなく、基礎的な知識が身に付かなければ、試験に合格しても仕事でつかえなくて意味がありません。
簿記検定は独学せず、予備校で学びましょう
いまはスタディングなど、格安の通信講座もあります。
簿記3級で4,000円、簿記2級で2万円、簿記1級で64,900円って、めちゃくちゃ安いです。
しかも、テキストだけでなく問題集や模擬試験、講義付きです。
簿記検定に合格すれば、その肩書だけでも十分もとがとれる金額ですので、正直、独学を考えるぐらいであれば今すぐ申し込みましょう。
簿記検定のおすすめテキストは?
簿記3級、2級、1級の別に解説していきます。
簿記3級のテキスト
簿記3級はテキストだけでも合格可能?
簿記3級は正直テキストだけでも合格可能です。
仕事なし、平日もフルで勉強に専念できる環境であれば、最短1週間か2週間ぐらいで(身になっているかどうかはともかく)合格自体はできると思います。
ただ、簿記3級はとっても世間的にも評価が高くなく、また、試験が簡単です。簿記3級は飛ばして2級からの受験でも良いと思います。
簿記3級のテキストは何がおすすめ?
<テキスト>
<+αで問題集>
簿記3級は簡単なので、テキストは何でもいいと思います。
予備校で人気の大原の、上記のテキストで良いでしょう。問題集も少しだけついています。
ただ、合格だけ考えればやらなくても良いと思いますが、知識をより強固にし、確実に合格したいなら+αとして、ステップアップ問題集も買っておくと良いでしょう。
上記2つとも買っても2,500円、かなり安いです。
買った教材を5回、10回と繰り返し読めば合格はむずかしくないと思います。
簿記2級のテキスト
簿記2級はテキストだけでも合格可能?
簿記2級も、頑張ればテキストだけでも合格可能です。
勉強に専念できる環境で最短2週間~1か月で合格できる可能性はあります。
ただし、流石に簿記3級と比べれば少しだけ難易度が上がります。
簿記2級になると、商業簿記に加え、工業簿記も試験範囲に加わりますので単純にテキストが1冊から2冊に増えます。
また、2級を受験するのであればテキストだけでなく、問題集なども解いておいた方が良いでしょう。
簿記2級のテキストは何がおすすめ?
簿記2級も、難易度はさほど高くありません。
そのため、テキストは何でも良いでしょう。
ただし、3級は商業簿記だけだったのに対し、2級になると工業簿記も試験範囲に加わり、テキストの量が増えます。
値段もリーズブルなので、上記の大原のテキストをおすすめします。
簿記1級のテキスト
簿記1級はテキストだけでも合格可能?
簿記1級はテキストだけでも合格できないことはないと思います。
ただ、結構ボリュームがあり、難しいです。
予備校に通っても、受け身で授業を聞いて問題を解いているだけだと合格が厳しいです(恥ずかしながら、わたしは1回落ちてます)。
わたしは高校生の頃、簿記3級、2級ともに100点で1発合格しましたので、簿記1級も簡単だろうと思っていたら甘かったです。
試験のレベルが簿記2級と比べて10倍ぐらいあるように感じます。
わたしは高校に通いながら平日の夜や土日に大原に通い勉強しましたが、講義を聞いて、与えられた問題集をこなしていただけだと見事に落ちました(70点で合格ですが、確か60点ぐらい)。
運が良ければ合格できたかも、というレベルにはなっていましたが、正直落ちても仕方なかったと思います。
足きりは食らわなかったものの、1つミスすると10点以上失うような問題があったり、毎年、予備校の講師が正解を間違えることもあるほど、かなり難易度が高い問題が出題されます。日商簿記1級は合格率10%程度の試験であり、きちんと自習勉強の時間を設けないと合格できません。
簿記1級のテキストは何がおすすめ?
簿記1級のテキストは、おすすめはありません。予備校に通った方が良いでしょう。
簿記1級は、商業簿記、工業簿記の2科目の簿記2級と異なり、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目に増えます。
また、大原が市販しているテキストも工業簿記、原価計算だけで3冊あるうえ、商業簿記、会計学のテキストは市販されていません。
簿記2級から一気に難易度が上がるため、テキストだけでの勉強だと非効率です。
簿記のテキストだけでの勉強はおすすめしない
簿記は、税法と違って毎年改正が入るものではありません。
そのため、テキストも毎年刷新されないため、市販されているテキストは2年落ち、3年落ちのものも少なくありません。
それであれば、簿記2級、1級は最新のテキスト等を使って学ぶため、お金を払って講義を受けた方が良いでしょう。
いまは、テキストだけでなく、講義に問題集に模擬試験までついて大原の3分の1の価格の激安通信講座スタディングもありますので、こちらを活用すると良いでしょう。