税理士試験

【税理士試験】おすすめの科目選択について税理士が解説

税理士試験は11科目あり、どの科目を受験すべきかが重要です。

以下では、次の2点について税理士が解説します。

  • 税理士試験のおすすめの科目選択
  • 税理士試験で実際に受験した科目と受験した順番

税理士試験を受験する方は必読です。

税理士試験は11科目ある

税理士試験には、以下の11科目が設けられています。

会計 簿記論 財務諸表論
税法 所得税法 法人税法 相続税法 消費税法 酒税法
国税徴収法 住民税 事業税 固定資産税

しかし、11科目すべてに合格しなければならないわけではありません。

上記のうち5科目に合格すれば良いです。

これは、医者に外科や内科など専門分野があるのと同じであり、税理士も、それぞれ得意とする分野が異なるためです。

ただし、必ず合格しなければならない「必須科目」や、2つあるうち1つは合格しないといけない「選択必須科目」があります。

つまり、何でもかんでも5つ合格すれば良いわけではないため、どの科目を受験するか事前に決めておく必要があります。

税理士試験のおすすめの科目選択について

税理士試験のおすすめの科目選択

税理士試験のおすすめの科目選択は、結論から言えば次の5科目です。

  1. 簿記論(必須科目)
  2. 財務諸表論(必須科目)
  3. 法人税法(選択必須科目)
  4. 消費税法
  5. 相続税法

ただし、自分がどんな税理士になりたいかによって変わります。

ぜひこの記事を最後まで読んで、決めてください。

税理士試験の必須科目は?

税理士試験には、必ず受けなければならない「必須科目」があります。

①必須科目 簿記論 財務諸表論
②選択必須科目 法人税法 所得税法

簿記論と財務諸表論、この2つは会計に関する科目であり、必須科目となっています。

また、法人税法と所得税法はどちらか選択必須科目となっています。

法人税法も所得税法も、どちらも他の税法に比べてボリュームが多く、受験者のレベルも高いため、大変な科目の1つです。

税理士試験の受験科目は何を選ぶべき?

どのような税理士を目指すかによって受けるべき科目は変わりますが、結論としては、以下の5科目をおすすめします

その理由について解説していきます。

簿記論と財務諸表論は必須科目のため受験する

簿記論と財務諸表論は必須科目のため、絶対に受けることになります。

そのため、残り3つは何を受験すべきかという話になります。

法人税法と所得税法のどちらを受験すべきか

法人税法と所得税法は選択必須科目のため、どちらか1つは受験しなければなりません。

しかし、「法人税法を学べば、共通点のある所得税法の知識もある程度身に付きます」ので、法人税法を選択することをお勧めします

これで3科目が消去法で決まりました。

残り2つ、何を受験すべきか。

うち1つは、優先度から考えて消費税法の受験をお勧めします。

消費税か酒税なら、消費税を受験すべき

消費税と酒税はどちらか片方しか受けられません。

酒税は、受験範囲のボリュームがかなり少ないという理由で受験される方もいます。

しかし、酒造メーカーにでも勤めない限り、酒税法の知識を使う場面はありません。

酒造メーカーのお客さんがいたとすれば別ですが、日本全国に酒造メーカーは何万社もあるわけではありませんし、酒造メーカーの社内に、酒税に関するノウハウは蓄積されているはずです。

そのため、税理士で酒税に携わったことがある人はほとんどいません(稀にいますが、私は携わったことがありません)。

一方で、消費税は仕事で必ず使うため、外すことができません

消費税と酒税、どちらを受験すべきかと言われたら「消費税」一択です。

ミニ税法ではなく、所得税か相続税を受験すべき

上記で説明した通り、簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法で4科目の選択が決まりました。

残り1つをどうするか、という問題があります。

税理士試験には11科目あり、どれを受験すべきかわからないかもしれません。

残る1つは、所得税法か相続税法をお勧めします。

ちなみに、事業税や住民税といった、試験範囲が小さい「ミニ税法」はお勧めしません。

なぜなら、税理士のお客さんは、基本的に以下の3タイプにわかれるからです。

お客さん 税理士試験で学ぶ必要な知識
個人事業主 簿記、所得税法、消費税法、(住民税、事業税、固定資産税)
法人(会社) 簿記、法人税法、消費税法、(住民税、事業税、固定資産税)
相続人 相続税法(相続税・贈与税)

このうち、事業税や住民税は、仕事で法人税などを扱ううえで知識が身に付きますので、あえて受験科目に選ぶ必要は無いでしょう。

一般的に、所得税と法人税は、どの事務所のどんな部署でもほとんどのケースで扱います。

そして、相続税は専門部署を設けていることが多いです。

相続税は一切さわらない税理士もいるため悩みどころですが、法人のお客さんに対してでも相続税の知識が必要になるケースはあります。

そのため、やはり相続税を受験しておいて損はありません。

また、法人税と所得税は根幹となる知識が似通っており、法人税を学べば所得税の知識もある程度習得することができます

そのため、あえて所得税を税理士試験で学ぶべきかどうかは議論の余地があります(どちらにせよ、仕事で使うので勉強は必須です)。

所得税より相続税の受験をお勧めする理由

相続税を担当するつもりがなくても、小規模な事務所では個人事業主も法人も相続もすべて担当することになるケースが一般的です。

さらに、大手の税理士法人に勤めたとしても、いずれは相続に携わりたいと思うことがあるかもしれません。

したがって、わたし個人としては所得税法より相続税法の受験をお勧めする結論となり、簿記論財務諸表論法人税法消費税法相続税法」。この5つの科目をお勧めします

もちろん、試験合格後には、自分が受験していない科目の勉強や、合格した科目であっても、それ以上に深い知識の習得が欠かせません。

あくまでも、受験をするうえでは上記5つを学んでおいて損は無いということです。

ちなみに、先日出版した以下の本はおすすめです。

>>相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本

ランキング部門 ランキング
Yahooブックス くらしの法律の本 1位
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ありがたいことに、大好評いただいています。

相続実務を行ううえでは税理士だけでなく、弁護士など他士業の協力も必要になりますので、広く学ぶことができます。相続の経験が浅い方におすすめです。

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税理士試験の合格のみを考えるなら

税理士試験の合格のみを考えるのであれば、お勧めはしませんが、勉強時間が短くすむ、いわゆる「ミニ税法」の受験をされる方もいます。

税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説」で、各科目の合格にかかる勉強時間の目安を解説していますので、とにかく合格だけ考えたい場合は参考にしてみてください。

>>税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説

税理士試験の各科目の配点

科目名 平均勉強時間(目安) 理論と計算の点数配分
必須科目 簿記論 (理論なし)計算100点
財務諸表論 理論50点、計算50点
選択必須科目 所得税法 理論50点、計算50点
法人税法 理論50点、計算50点
その他の科目 相続税法 理論50点、計算50点
消費税法 理論50点、計算50点
酒税法 理論30点、計算70点
国税徴収法 理論100点(計算なし)
住民税 理論50点、計算50点
事業税 理論50点、計算50点(過去は理論70点、計算30点)
固定資産税 理論50点、計算50点

税理士試験のほとんどの科目は理論50点、計算50点で100点満点ですが、なかには理論しかない国税徴収法、計算しかない簿記論といった科目もあります。

科目選択の参考にしてみてください。

ちなみに、わたしもこの記事を書いていて知りましたが、理論と計算の配点は、年度によって替わります。

事業税や酒税法など、年度によってかわるようです。試験当日になって慌てないよう、知っておきたいですね。

 

税理士試験の科目選択の順番は?

実際の科目選択の順番

わたしは、簿記論、財務諸表論、消費税法を1年目に受験し、合格。

2年目に法人税法と相続税法を受験し、法人税法はあと一歩のところで落ちてしまいましたが、相続税法には合格。3年目に法人税法を受験し、5科目合格しました。

受験年数 科目 合否
1年目 簿記論・財務諸表論・消費税法
2年目 法人税法・相続税法 相〇、法×(Aランク)
3年目 法人税法

簿記論、財務諸表論、消費税法は3科目同時です。

おすすめする科目選択の順番

税理士試験の受験に専念される方、働きながら受験される方向けでわけて解説します。

税理士試験の受験に専念される方

受験に専念される方は、2年プランで考えましょう。

<ストレート合格の場合>

受験年数 科目
1年目 簿記論・財務諸表論・消費税法
2年目 法人税法・相続税法

<不合格の科目があった場合>

受験年数 科目
1年目 簿記論・財務諸表論・消費税法
2年目 不合格の科目+法人税法
3年目 不合格の科目+相続税法

※4科目以上の同時受験や税法3科目の同時受験は非常に厳しいので、もし全部不合格になってしまったら次の科目にすすまず、再度やり直しましょう。

受験に専念できる環境がある方なら、3科目同時受験をお勧めします

なぜなら、簿記論と財務諸表論だけでは確実に時間が余るからです。

簿記論と財務諸表論は受かって当たり前という気持ちでやらなければ、合格までに10年以上の期間を要します

私も模擬試験で100点をとることも多々あれば、全国公開模試で1桁台になることもありました。

当然ながら5科目すべてにおいて、上位10%には常に入っているような状態であり、2年で合格しきる気持ちでやりました。

それでも、残念ながら法人税に不合格となったときは大いに泣きました。

「あれだけやったのに」という気持ちももちろんありますが、「この1年は何だったんだろう」と落ち込みました。

しかし、です。

泣けるぐらいまでやり込まなければ、本気で取り組んでいないことのあらわれでもあるように思います。

戦いが長くなればなるほど、モチベーションは続きません。

これから受験する方、まだ受験中の方は、ぜひ本気で取り組んでください。

働きながら受験される方

働きながら受験される方は、3年か4年プランで考えると良いでしょう。

<3年プラン>

受験年数 科目
1年目 簿記論・財務諸表論
2年目 法人税法
3年目 相続税法・消費税法

<4年プラン①>

受験年数 科目
1年目 簿記論・財務諸表論
2年目 法人税法(もしくは消費税法)
3年目 消費税法
4年目 相続税法

<4年プラン②>

受験年数 科目
1年目 簿記論・財務諸表論
2年目 法人税法・消費税法
→ムリだと感じたら途中で1科目専念に切り替える
3年目 法人税法・消費税法
→2年目に受験しなかった科目を受験
4年目 相続税法

上記を見ればわかる通り、法人税法の受験を早めにしておくことをおすすめします。

なぜなら、法人税は会計がわからないと手を付けられない科目だからです。簿記論や財務諸表論を受験したあとすぐに受験しておくと良いでしょう。

法人税法はとてもボリュームが多い科目ですが、仮に受験を辞めるとしても、法人税法の受験で培った知識は会計事務所や経理部で必ず役に立ちます。なので早めに受験しておきましょう。

消費税法も法人税法と同様に、会計の知識は必要なため、早めに受験しておいた方が良いでしょう。また、法人税法や相続税法と比べればボリュームが多くないため、消費税法が税法科目の初受験にお勧めであることは確かです。

ただし、消費税法1科目だけの受験となると、やはり時間を持て余す可能性があります。先にボリュームの大きい法人税法を片付けておきましょう。

ちなみに相続税法は、会計の知識がまったく必要ありません。

そのため、受験から数年たち、会計や法人税、消費税の知識を忘却してしまっても税理士試験を受験するうえでは全く問題ありません。

受験の順番としては最後で良いと思います。

 

税理士試験に落ちないために知っておくべきこと

「税理士試験の合格が21歳なんて早い!羨ましい!」そう思う方もいるでしょう。

このnoteは、2年で5科目合格を目指したものの、残念ながら法人税法に不合格になった経験(=3年で5科目合格となった経験)から、税理士試験に落ちないために知っておくべきことを本音で語っています。

本音を言えば無料で公開してもよいのですが、 専門学校に対する批判なども含んでおり、あまり公にしたくない内容と なっています。

そのため、税理士試験に合格したいと本気で思っている方限定で有料公開することとしました。

本気で一発合格を目指す方だけ、こちらをクリックしてご覧いただければ、税理士試験に合格するための秘訣がわかります。

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税理士 坂根 崇真

18歳で日商簿記1級、21歳で税理士試験に3年5科目合格した税理士。一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、その他 株式会社の代表取締役。著書「相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本(出版社:秀和システム)」Yahoo!ブックスランキング1位、Amazonランキング2位。中の人は複数人で運営しています。

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