税理士試験

税理士試験の法人税法の難易度は?3年で5科目合格した税理士が解説

悩んでいる人
税理士試験で簿記論と財務諸表論に合格したし、法人税法の勉強を始めようかな。難易度ってどのぐらいなのかな?

法人税法の難易度はかなり高いです。ボリュームもかなり多く、相続税法+消費税法など、2科目分ぐらいのボリュームがあるため、つまずくと合格に数年かかるケースが少なくありません。

この記事では、税理士の坂根が税理士試験の法人税法の難易度について解説します。

ポイント

  • 法人税法は通常、仕事で最も使う税法。しっかり勉強しておくべき。
  • 合格率は約11~12%
  • 法人税法の難易度は税理士試験の中で最難関クラス
  • 合格に必要な時間は1,500時間以上みておきましょう

関連記事:税理士試験は通信講座で合格可能?どこの予備校に通うべき?

税理士試験の法人税法はどんな試験?

税理士試験には11科目あり、そのうちの1つとして「法人税法」の科目があります。  

法人税は会社が納める税金

法人税は、株式会社や合同会社など、会社(法人)が納める税金です。

法人は、1事業年度中に獲得した利益に対して法人税を納めなければなりません。 この「利益」の金額は会計上の利益ではなく、法人税計算上の利益(課税所得)を指します。

ベースはあくまでも会計上の利益ですが、会計上の利益と法人税計算上の利益は別物です。

そのため、決算書の当期純利益をベースに、法人税を計算するための調整(税務調整)を行います。

この、会計と法人税の利益の違いを学ぶのが、法人税法の受験勉強のメインです。  

法人税法の出題範囲はかなり広い

法人税法の出題範囲は国税庁ホームページに次の通り公表されています。

「当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。」

  • 法人税法
  • 法人税法施行令法人税法施行規則
  • 租税特別措置法
  • 国税通則法 など

出題範囲は広く、勉強しなければならない範囲が多いです。  

法人税法の合格率は約11~12%

図:国税庁 令和元年度(第69回)税理士試験結果表(科目別)

法人税法は、上から4つ目にあり、令和元年度の合格率が14.7%、平成30年度合格率が11.6%です。  

法人税法の過去の合格率推移

法人税法の合格率
70回 (2020)令和2年度 16.1%
69回(2019)令和元年度 14.7%
68回(2018)平成30年度 11.6%
67回(2017)平成29年度 12.1%
66回(2016)平成28年度 11.6%
65回(2015)平成27年度 11.1%
64回(2014)平成26年度 12.4%
63回(2013)平成25年度 12.4%
62回(2012)平成24年度 12.6%
61回(2011)平成23年度 12.5%
60回(2010)平成22年度 12.6%
59回(2009)平成21年度 12.1%

法人税法の合格率は、毎年11%~12%前半程度で安定していました。

しかし、令和元年、令和2年度に合格率が大きく上がっています。

過去合格できなかった受験者のレベルも年々上がっているからという理由もあると思いますが、受験生にとっては大きなチャンスと言えます。

法人税法の難易度は税理士試験の中で最上級レベル

法人税法の難易度は、税理士試験の中では最上級レベルです。

法人税法は理論50点、計算50点で100点満点の試験となっています。

表向きは60点で合格となっていますが、これは「6割とれば合格」と言うわけではありません。

先程説明したように、法人税法の合格率は10%台前半しかありません。

2時間の試験時間で解ききるのがむずかしい問題量であり、また、理論は記述式の問題です。

税理士試験は「60点とったら合格」というより、上位10%に入ったら60点で合格という試験です。法人税法は受験生のほとんどが2科目~4科目合格している人たちですので、受験生のレベルが他の科目と比べてかなり高いです。そのため、本気で勉強しないと合格できません。

受験生や合格者の声を集めてみました。

法人税法の合格に3年かかったという方も多いですね。ちなみに、恥ずかしながら私も1回落ちてます。

税理士試験の受験は、初年度に簿記論、財務諸表論、消費税法の3科目1発合格。

2年目に法人税法と相続税法の2科目受験で、法人税法Aランク落ち、相続税法合格でした。

3年目に法人税法に合格し、官報合格しました。

法人税法の初受験の際も、模擬試験では上位争いをしており、合格可能なレベルに入っていましたが、落ちました。

常に競っていた同じぐらいのレベルだったライバルは合格していましたので、悔しかったですね。法人税法は本気でやらないと合格は中々厳しい試験です。

以下のnoteで税理士試験に一発合格するための秘訣をご紹介していますので、こちらの記事もぜひご覧ください。

>>税理士試験に落ちないために知っておくべきこと  

法人税法の受験者層は?

法人税法の受験者層は、税理士試験の中ではレベルが高めです。 簿記論、財務諸表論の2科目を突破しているのは当たり前、加えて、他の税法科目を1、2個合格している方が多いです。

法人税法を最後の受験科目として選ぶ人も多く、何年も法人税法でくすぶっている方も少なくありません。そのため、法人税法の受験者レベルは税理士試験の中ではトップレベルに高いです。

また、法人税法の受験者数は令和元年度は4,260人と少ないため上位10%に入るのがしんどいです。

マニアックな相続税法の2,897人と比べれば多いですが、税理士試験の登竜門である簿記論、財務諸表論、消費税法と比べると圧倒的に少ないです。

そのため、法人税法の受験者レベルは税法科目の中では高めです。

法人税法の勉強時間の目安は1,500時間以上

法人税法の合格に必要な勉強時間は、1,500時間以上見ておきましょう。

法人税法の合格に必要な勉強時間の目安は、大原やTACは600時間と公表しています(「参考記事:税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説)。

ただし、この時間には理論暗記の時間が含まれていません。

また、法人税法の試験範囲は広いので、理論だけでも計算と同じだけの勉強量は必要です。 そうすると、単純に600時間×2で1,200時間は最低でも必要です。安全圏で合格するためには、計算に要する時間ももっと多く見ておいた方が良いでしょう。

そうすると、予備校が公表する2倍の1,200時間でギリギリ合格可能性があるレベルで、高い確率で合格するためには1,500時間は勉強した方が良いかと思います。 法人税法は税法科目の中で最も勉強ボリュームが多いため、決して盛っているわけではありません。

法人税法の受験ボリュームのイメージとしては消費税法の3倍、相続税法の2倍ぐらいです。 法人税法は単純に条文数が多いですが、それだけでなく、関連法令である租税特別措置法の範囲が非常に広いので、きちんと勉強時間を確保しなければなりません。

以下の記事で、他の科目の合格に必要な勉強時間など公開していますので、税理士試験の受験をされている方は、こちらもご覧ください。

>>税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説

法人税法の受験をお勧めする3つの理由

法人税法の受験をお勧めする3つの理由

  • 実務で必須
  • 所得税法より受験者数が多い
  • 法人税法を勉強すれば所得税法をだいたい理解できる

実務で必須

法人税法の受験は実務(仕事)にも役立ちます。

税理士のお客さんは、ほとんどが会社(中小企業)です。

会社は年1回、法人税の申告を絶対にしなければなりませんので、法人税法の知識は仕事で必須です。

税理士試験を受験するうえでは法人税法と所得税法は選択必須科目となっていますが、重要度としては法人税法の方が高いです。

そのため、法人税法を受験し、仕事で使う知識を学んでおきましょう。  

所得税法より受験者数が多い

所得税法の受験者数は1,659人、法人税法の受験者数は4,260人で、所得税法より法人税法の受験者数の方が多いです。

所得税法も法人税法も合格率に大差はありませんが、記念受験者が少ない分、所得税法の方がハイレベルな戦いが行われている可能性が高いです。

受験者数が多い法人税法の方が、一般的には合格しやすいと言えるでしょう。

法人税法を勉強すれば所得税法をだいたい理解できる

法人税法も所得税法も、税理士として働くうえではどちらも欠かせない知識です。

そのため、選択必須科目といえど、税理士試験を突破したあとはどちらも勉強する必要があります(わたしは法人税法を受験した翌年に所得税法の講義を受けました)。

なお、法人税法と所得税法は基礎的な考え方が似通っているため、法人税法を受験すれば所得税法もある程度理解することができます。

ただし、法人税法の「税務調整」の考え方は独特ですので、所得税法を受験しても身に付きません。

そのため、法人税法と所得税法どちらを受験すべきかと問われれば、やはり法人税法を受験することをおすすめします。  

法人税法の受験は実務とどう違う?

実務では、会社の税金関連では法人税法だけでなく、簿記・会計の知識、事業税や住民税(地方税法)、消費税法や源泉所得税(所得税法)、印紙税など、数多くの税目を取り扱います。

法人税法の試験では、これらのうち、「法人税」に限って勉強します。そのため、どの試験科目においても言えることですが、試験と実務は別物です。

ただ、別物と言っても基礎は大事です。根本的な部分がわかっておらず、小手先の勉強だけしていてはシロウトの方と変わりません。最近では自動記帳してくれるシステムなどありますが、精度はもちろん、法人税のことは全く考えられていません。そして、ダメなところをダメとわかるためには根本から理解しないといけません。そのため、税理士になるのであれば法人税法の受験とその知識は必須です。

法人税法を理解するためにしっかり勉強しておきましょう。

法人税法は独学で合格可能?

法人税法は独学での合格は厳しいです。そもそも市販のテキストや問題集が無く、また、独学はかなり効率が悪いです。

お金が無かったとしても、わずか数万円で通える予備校も出てきていますので、予備校を活用して勉強することをお勧めします

以下の記事で、予備校を比較解説していますのでご覧ください。

>>税理士試験は通信講座で合格可能?おすすめの予備校(専門学校)を比較!

税理士試験に落ちないために知っておくべきこと

「税理士試験の合格が21歳なんて早い!羨ましい!」そう思う方もいるでしょう。

このnoteは、2年で5科目合格を目指したものの、残念ながら法人税法に不合格になった経験(=3年で5科目合格となった経験)から、税理士試験に落ちないために知っておくべきことを本音で語っています。

本音を言えば無料で公開してもよいのですが、 専門学校に対する批判なども含んでおり、あまり公にしたくない内容と なっています。

そのため、税理士試験に合格したいと本気で思っている方限定で有料公開することとしました。

本気で一発合格を目指す方だけ、こちらをクリックしてご覧いただければ、税理士試験に合格するための秘訣がわかります。

1年に1回しかない税理士試験、本気で合格したい方はぜひ今すぐご覧ください

>>税理士試験に落ちないために知っておくべきこと(こちらをクリック)

税理士 坂根 崇真

18歳で日商簿記1級、21歳で税理士試験に3年5科目合格した税理士。一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、その他 株式会社の代表取締役。著書「相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本(出版社:秀和システム)」Yahoo!ブックスランキング1位、Amazonランキング2位。中の人は複数人で運営しています。

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