税理士試験

税理士試験の財務諸表論を攻略!受験する場合の注意点など税理士が解説

税理士試験を受験するのであれば、財務諸表論の受験を避けては通れません。

財務諸表論の難易度や、どのぐらいの勉強時間が必要か解説します。

この記事では、税理士の坂根が財務諸表論について解説します。
  • 税理士試験の財務諸表論とは
  • 財務諸表論を受験する場合の注意点
税理士試験を受験する方は必読です。後悔しないよう、読んでおきましょう。

税理士試験の財務諸表論とは?

税理士試験には11科目あり、そのうちの1つとして「財務諸表論」があります。

財務諸表論は受験必須科目

税理士試験は11科目中5科目に合格する選択制の試験となっていますが、財務諸表論は受験必須科目となっています。

そのため、税理士試験に最終合格(官報合格)するためには、財務諸表論は必ず受験しなければなりません。

 

財務諸表論ってどういう試験内容?

財務諸表論では、企業会計原則や財務諸表等規則などの会計に関する知識や、財務諸表の作成能力が問われます。

そのため、日商簿記検定1級の延長線にあると考える方が多いです。  

 

財務諸表論の出題範囲は?

財務諸表論の出題範囲は国税庁ホームページに次の通り公表されています。 

「会計原理、企業会計原則、企業会計の諸基準、会社法中計算等に関する規定、会社計算規則(ただし、特定の事業を行う会社についての特例を除く。)、財務諸表等の用語・様式及び作成方法に関する規則、連結財務諸表の用語・様式及び作成方法に関する規則」

つまり、上述したように会計に関する知識や財務諸表の作成能力が問われます。

財務諸表論の合格率は?

図:国税庁 令和元年度(第69回)税理士試験結果表(科目別)

財務諸表論は、上図の上から2番目にあり、令和元年度の合格率が18.9%、平成30年度合格率が13.4%です。

 

財務諸表論の過去の合格率推移

財務諸表論の合格率
70回 (2020)令和2年度 19.0%
69回(2019)令和元年度 18.9%
68回(2018)平成30年度 13.4%
67回(2017)平成29年度 29.6%
66回(2016)平成28年度 15.3%
65回(2015)平成27年度 15.6%
64回(2014)平成26年度 18.4%
63回(2013)平成25年度 22.4%
62回(2012)平成24年度 20.7%
61回(2011)平成23年度 16.6%
60回(2010)平成22年度 13.1%
59回(2009)平成21年度 16.0%

財務諸表論の合格率は、毎年15%程度と考えてよいでしょう。

ただし、年度によって合格率は大幅に変わります。

平成29年度税理士試験では、財務諸表論の合格率は驚異の29.6%ですし、平成24年度、25年度も20%を超えています。

さすがに30%近い合格率になる年は珍しいですが、他の科目と比べると圧倒的に合格率が高い科目となっています。 

最も合格しやすい科目ですので、一発で終わらせたいところです。

 

財務諸表論の配点は?

財務諸表論の配点は、理論50点、計算50点の計100点満点問題です。 このうち60点以上をとることができれば合格です。

ただ、税理士試験は基本的に100点が現実的でなく、60点~80点ぐらいをいかにとるかが課題になっています。 「60点でいいんだ、楽勝じゃん」ではありません。

上述したように合格率は15%程度と、他の科目と比べれば合格率は高いですが、きちんと勉強しなければ合格はできません。  

 

簿記論と財務諸表論の違いは?

簿記論と財務諸表論の違いは主に次の2つです。

  • 理論問題があるか
  • 簿記知識が問われるか、財務諸表作成能力が問われるか

税理士試験には財務諸表論の他、簿記論という会計科目があります。

財務諸表論と簿記論は試験範囲が似通っていますが、違いのメインは「理論問題」があるか無いかです。 財務諸表論は会社計算規則や企業会計の諸基準について問われるため、暗記も必要な試験になっています。 一方、簿記論は計算問題のみですので、用語の暗記は求められていません。  

また、簿記論は簿記知識、つまり仕訳作成能力が求められ、そのレベルは財務諸表論より高いです。一方で、財務諸表論では財務諸表、つまり貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)の作成能力について、簿記論より高いレベルが求められます。

財務諸表論の難易度は?

財務諸表論の難易度は、税理士試験の中では低いです。

先ほどご紹介したように、合格率は30%近かった年もありますし、20%程度になる年もあります。これは他の科目と比べると高い合格率です。

また、日商簿記1級に合格しているのであれば、そこまでの勉強量を要さず合格できる試験です。

ただ、簡単かと言われればそうではありません。 簿記検定1級を突破せずに税理士試験の受験資格を獲得している場合は、きちんと勉強しなければ合格は難しいでしょう。

ちなみに、税理士試験では、試験後に大原などの専門学校が解答速報を配っています。

その解答速報には以下の2つの基準が設けられていますので、自己採点し、合格できそうかどうかの目安にすることができます。

  • ボーダーライン(この点数以上をとれたなら合格できる可能性がある。専門学校基準の配点で60点ぐらい)
  • 合格確実ライン(この点数以上をとれたなら確実に合格できると考えられる。専門学校基準の配点で80点ぐらい)

ふつう、税理士試験の科目では合格確実ラインを超えることは現実的ではありません。

ただ、財務諸表論は難易度がそこまで高くありませんので、私は、財務諸表論の合格確実ラインを超えていました。

言いたいことは、きちんと勉強していれば、合格できる難易度だということです。  

 

財務諸表論の受験者層は?

財務諸表論の受験者層は、他の税理士試験科目に比べるとレベルは高くありません。

財務諸表論の受験者数は他の科目より圧倒的に多く、簿記論の次ぐらいに多いです。

先ほどの図によると9,268人ですが、 日商簿記1級の第156回(2020.11.15)試験の受験者数が10,078名であることを考えると、同じぐらいの数の方が受験していることがわかります。

税理士試験の登竜門として受験する方、記念受験する方も多いので、税理士試験の他の科目に比べると受験者のレベルは高くありません。

 

財務諸表論の勉強時間の目安は?

財務諸表論の合格に必要な勉強時間は、600時間~1,000時間ほど見ておきましょう。

税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説」で解説している通り、財務諸表論の合格に必要な勉強時間の目安は、大原は400時間、TACは450時間と公表しています。

ちなみにこの勉強時間は理論の暗記時間は含まれていません。また、この目安はどれも甘めに作られていますので、1.5~2倍ほど見積もっておけば良いでしょう。

もちろん、日商簿記1級の受験経験が無い場合はより多くの勉強時間が必要になる可能性があります。知識ゼロからでも1,000時間あれば十分だと思いますが、自身の習熟度合いに照らし合わせてください。

税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説」で他の科目の勉強時間なども公開していますので、税理士試験の受験をされている方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

>>税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説

 

財務諸表論と簿記論は同時に受験すべき?

財務諸表論と簿記論は試験範囲が被っています。

財務諸表論は計算と理論が50点ずつの試験となっていますが、計算問題については簿記論と試験範囲が大きく被っています。

計算問題の難易度は簿記論と比べればむずかしいですが、正直大差ありません。

【税理士試験】おすすめの科目選択について税理士が解説」で科目選択のお勧めの順番などご紹介していますが、財務諸表論を受験するのであれば、簿記論も同時に受験することをおすすめします。

>>【税理士試験】おすすめの科目選択について税理士が解説  

財務諸表論は独学で合格可能?

財務諸表論は独学で合格できないことは無いと思います。 ただ、効率は悪いですし、1年間もモチベーションが続きませんので予備校を活用することをお勧めします。

税理士試験は通信講座で合格可能?おすすめの予備校(専門学校)を比較!」で、大原など大手の予備校を含め比較していますので、ご覧ください。

いまは数万円で通える予備校もあり、独学するのが馬鹿らしいです。

>>税理士試験は通信講座で合格可能?おすすめの予備校(専門学校)を比較!  

 

税理士試験に落ちないために知っておくべきこと

「税理士試験の合格が21歳なんて早い!羨ましい!」そう思う方もいるでしょう。

このnoteは、2年で5科目合格を目指したものの、残念ながら法人税法に不合格になった経験(=3年で5科目合格となった経験)から、税理士試験に落ちないために知っておくべきことを本音で語っています。

本音を言えば無料で公開してもよいのですが、 専門学校に対する批判なども含んでおり、あまり公にしたくない内容と なっています。

そのため、税理士試験に合格したいと本気で思っている方限定で有料公開することとしました。

本気で一発合格を目指す方だけ、こちらをクリックしてご覧いただければ、税理士試験に合格するための秘訣がわかります。

1年に1回しかない税理士試験、本気で合格したい方はぜひ今すぐご覧ください

>>税理士試験に落ちないために知っておくべきこと(こちらをクリック)

税理士 坂根 崇真

18歳で日商簿記1級、21歳で税理士試験に3年5科目合格した税理士。一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、その他 株式会社の代表取締役。中の人は複数人で運営しています。

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