
相続税法は、税理士試験の税法科目の中でも勉強量が多く、受験生のレベルも高い科目です。
予備校が公表する勉強時間だけを見て始めると、「思っていたより理論暗記が終わらない」と苦労する可能性があります。
結論から言うと、相続税法の難易度は税理士試験のなかでは中の上です。また、合格に必要な勉強時間は1,000時間ほど見ておきましょう。
予備校が公表する450~520時間には、理論暗記や忘れた内容の復習にかかる時間が十分に含まれていません。
相続税法は、理論と計算の両方を高い完成度まで仕上げなければ合格できないため、実際の勉強時間はさらに多くなります。
この記事では、相続税法に1発合格し、21歳で3年5科目合格した税理士の坂根が解説します。
この記事で分かること
- 相続税法の合格に必要な実際の勉強時間
- 450~520時間では足りないと考える理由
- 相続税法の難易度と受験生のレベル
- 相続税法の合格率
- 相続税法に1発合格する勉強方法
- 相続税法を受験するメリット
- 相続税法と実務の違い
- 相続税法に独学で合格できるか
相続税法の結論
- 相続税法の受験生はレベルが高く、2科目3科目持っている人がほとんど
- 4科目順調にとったあと、相続税法で5年ぐらい受からず悩む人もいる
- 相続税法の合格に必要な勉強時間の目安は1,000時間
- 相続税法の合格率は、長期的には毎年概ね10%~13%台
- 他の税理士試験科目と範囲が一切かぶらないため、みんなゼロからのスタート。つまり初学者にとって有利な科目
- 相続税法の知識は相続税申告、贈与税申告、自社株評価など実務でも役立つ
相続税法は独学での合格が厳しい科目です。
これから勉強を始める方は、税理士講座の教材、価格、向いている人をまとめた次の記事もご覧ください。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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税理士試験の相続税法の勉強時間は1,000時間が目安
相続税法の合格に必要な勉強時間は、実際には1,000時間ほど見ておきましょう。予備校が公表する450~520時間だけでなく、理論暗記、復習、問題演習、答練のやり直しにかかる時間を含めて考える必要があります。
| 公表・見積もり | 相続税法の勉強時間 | 注意点 |
|---|---|---|
| 資格の大原 | 520時間 | 理論暗記や繰り返し学習の時間を別に確保する必要がある |
| TAC | 450時間 | 理論暗記の時間は含まれていない |
| 坂根の見積もり | 1,000時間 | 講義、計算、理論暗記、復習、答練を含めた実際の目安 |
大原は520時間、TACは450時間を相続税法の標準的な勉強時間として公表しています。
ただし、この520時間や450時間の中には、理論暗記にかかる時間が十分に含まれていません。
相続税法では、計算問題だけでなく、分量の多い理論を正確に覚える必要があります。
一度覚えた理論も、復習しなければすぐに忘れます。覚える時間に加えて、忘れないために繰り返す時間も必要です。
また、計算問題も一度解ければ終わりではありません。
- 財産評価の方法を覚える
- 課税価格を正確に集計する
- 相続税額や贈与税額を計算する
- 総合問題を時間内に解く
- ケアレスミスをなくす
- 答練で間違えた問題を解き直す
ここまで仕上げるには、450~520時間では足りない人が多いでしょう。
相続税法に1年で1発合格したいなら、最初から1,000時間を使う前提で計画を立ててください。
働きながら1,000時間を確保する勉強計画
平日3時間、土日5時間を10か月続ければ、1,000時間を確保できます。
(3時間×平日5日+5時間×土日2日)×4週間×10か月=1,000時間
| 曜日 | 1日の勉強時間 | 主な勉強内容 |
|---|---|---|
| 平日 | 3時間 | 講義、個別計算、理論暗記 |
| 土曜日 | 5時間 | 計算問題、総合問題、理論暗記 |
| 日曜日 | 5時間 | 1週間の復習、答練、間違えた問題の解き直し |
| 1週間 | 25時間 | 計算と理論を並行して進める |
| 10か月 | 約1,000時間 | 本試験レベルまで完成させる |
働いている方であっても、本気でやればこの勉強時間は捻出できると思います。
ただし、残業が多く平日に3時間を取れない場合は、朝、昼休み、通勤時間も使う必要があります。
10か月で1,000時間を確保できないのであれば、勉強開始を早めるか、受験科目を相続税法1科目に絞りましょう。
相続税法の勉強時間が増える理由
相続税法の勉強時間が増えやすい理由は、理論と計算の両方に大きなボリュームがあるからです。
| 学習内容 | 勉強時間が必要な理由 |
|---|---|
| 理論暗記 | 条文が長く、細かい要件やカッコ書きまで正確に覚える必要がある |
| 財産評価 | 宅地、家屋、株式など財産ごとに評価方法が異なる |
| 税額計算 | 複数の相続人や財産を集計し、各人の税額まで計算する必要がある |
| 総合問題 | 問題量が多く、2時間で取る問題と捨てる問題を判断する必要がある |
| 法改正 | 受験年度の改正内容を反映した教材で勉強する必要がある |
| ミス対策 | 受験生のレベルが高く、基本問題のミスが合否に直結する |
これから勉強を開始する方は下記の記事もご覧ください。相続税法以外の他の科目の勉強時間も公開していますので、税理士試験の受験をされる方は下記の記事もご覧ください。
関連記事:税理士試験に21歳で短期5科目合格した勉強方法や勉強時間を大公開
税理士試験の相続税法はどんな試験?
相続税法は、相続税と贈与税の計算や各種規定を学ぶ税法科目です。例年、理論と計算が出題され、財産評価、課税価格、税額計算まで幅広い知識が求められます。
税理士試験には11科目あり、そのうちの1つとして「相続税法」の科目があります。
特徴としては次の通りです。
ポイント
- 相続税法では「相続税」と「贈与税」を学ぶ
- 相続税、贈与税は財産をもらった人に課税される税金
- 相続税法の合格率は、長期的には毎年概ね10%~13%台
- 相続税法は他の税理士試験の科目と一切被らないので初学者にチャンスあり
- 理論と計算の両方を高い水準まで仕上げる必要がある
- 相続税申告や贈与税申告など実務にも役立つ
| 項目 | 相続税法の概要 |
|---|---|
| 試験時間 | 2時間 |
| 主な出題 | 理論と計算 |
| 学ぶ税金 | 相続税・贈与税 |
| 計算の中心 | 財産評価、課税価格、相続税額・贈与税額 |
| 坂根の難易度評価 | 中の上 |
| 勉強時間の目安 | 1,000時間 |
| 独学 | 厳しい |
相続税法では「相続税」と「贈与税」を学ぶ
相続税法では、「相続税」と「贈与税」について学びます。

その通りです。
なぜなら、贈与税法という法律がなく、相続税法の中に決まりがあるからです。
相続税、贈与税は財産をもらった人に課税される税金
相続税、贈与税は次の通り、財産をもらった人に課税される税金です。
- 相続税:身内の方が亡くなった際、その財産を相続した人が納める税金
- 贈与税:ご両親や祖父母など、他の方からお金など財産をもらった場合、その財産をもらった人が納める税金
亡くなったときに相続で財産をもらえば相続税が、生前に贈与で財産をもらえば贈与税がかかります。
細かく言えば違う点はいくつもありますが、極端に言えば、贈与税がかかるか相続税がかかるかは、「いつ財産をもらったかのタイミングの違い」でしかないため、贈与税も「相続税法」の範囲に含まれています。
\一発合格したい方限定!/
関連記事:高卒でも21歳5科目合格できた税理士試験の完全マニュアル【非常識合格法】
相続税法の難易度は高い
相続税法の難易度は高いです。試験範囲が広いうえ、すでに複数科目へ合格している受験生が多く、基本問題のミスが命取りになります。
相続税法は例年、理論50点、計算50点で100点満点の試験となっています。
表向きは60点で合格となっていますが、実際にはこの60点のハードルが高いです。
相続税法の合格率は長期的に毎年概ね10%~13%台で推移しており、受験生の中で高い完成度まで仕上げなければ合格できません。
試験時間は2時間ですが、基本的に2時間で解ききれる問題量ではなく、また、相続税法は理論、計算ともに記述式の問題が多くあります。
A~Dの中で正解を選べという択一式試験ではなく、記述式試験ですので、自分の頭で考えて答えを書く必要があり、周りの受験生と比較されます。
相続税法に合格するためには、解ける問題はすべてミスなく解くレベル、ケアレスミスが2、3個許容されるイメージでないと合格は厳しいです。
ちなみに教科書が計算テキスト4冊、理論テキストが1冊の計5冊あります(資格の大原の場合)。
また、教科書の厚さは消費税法のおよそ2倍あり、覚えなければならないことが膨大にあります。
関連記事:【税理士試験】消費税法の難易度や勉強時間は?半年1発合格税理士が解説
相続税法の受験者層は3科目4科目合格している人が多い
相続税法の受験者層は、税理士試験に3科目4科目合格している人が多いです。
令和7年度の相続税法の受験者数は2,413人です。
これは、法人税法の3,606人や消費税法の7,064人と比べると少ない人数です。
そして、相続税法を受験する人は、簿記論や財務諸表論だけでなく、消費税法など他の税法科目も受験経験があるケースが多いです。
法人税法ほど受験者のレベルは高くないと思いますが、相続税法の受験者層はレベルが高いです。
しっかり勉強しないと合格できません。
関連記事:税理士試験の法人税法の難易度は?3年で5科目合格した税理士が解説
相続税法の出題範囲は広いので、きちんと勉強しないと合格できない
相続税法の出題範囲は国税庁ホームページに次の通り公表されています。
「当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。」
- 相続税法
- 相続税法施行令
- 相続税法施行規則
- 租税特別措置法
- 国税通則法 など
感覚的には消費税法2つ分~3つ分ぐらいのボリュームがあります。
出題範囲は広いですが、きちんと勉強しなければ合格できません。最低限、教科書に載っていることはマスターする必要があります。
昨日、相続税受けて参りました!
教科書ボロボロになるまでやり込みましたが、合格は難しいでしょう。。。
丸々一冊を暗記させる鬼畜でドS試験なですが、来年も挑みます。。。
今日から勉強スタートしました。積み上げるのみ。
#税理士試験#相続税法 pic.twitter.com/jiRWYmq422
— すーさん FIREまでの日数カウントダウン (@susanwantsfire) August 19, 2021
相続税法の理論はくっそ細かくて覚えられんかった…。相続または遺贈がどうのというあのカッコ書きで挫折した。法人税くらい分かりやすくないと無理だった。
「分かりやすくないと無理」てのは過去の恋愛遍歴にも現れてて、O型男子が彼氏の大半だった(遠い目)
他の血液型はカッコ書き多くて難しい— 鈴木まゆ子 税理士・税務ライター (@mayu_suzu8) September 26, 2020
税理士試験回想~相続税法
ケアレスミスを無くすために努力しました、受験生レベルが高いのでワンミス命取りの試験と思ったからです。
複数年の場合、難しい論点を覚えたくなりますが、基本を押さえることが一番大事と思います。#税理士試験#相続税法— 読太@税理士 (@tax9139) September 19, 2017
相続税法の条文は非常に覚えにくいのは確かですが、受験生のレベルは高いので、全部マスターしておきましょう。
特に、頑張って覚えるのと、諦めて一部に絞るのでは、試験当日に余裕を持てるかどうかが変わります。
自分が解けなければ他の人には解けないという確信を持つことができれば、焦らずにケアレスミスをすることなく合格することができます。
ヤマカンで勉強して1年無駄にするほどアホらしいことはありません。やれることはやりきって試験にのぞみましょう。
相続税法の合格率は毎年概ね10%~13%台
相続税法の合格率は、長期的には毎年概ね10%~13%台で推移しています。令和7年度は、受験者2,413人のうち333人が合格し、合格率は13.8%でした。
| 試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年) | 2,413人 | 333人 | 13.8% |
| 令和6年度(2024年) | 2,515人 | 471人 | 18.7% |
| 令和5年度(2023年) | 2,428人 | 282人 | 11.6% |
| 令和4年度(2022年) | 2,370人 | 336人 | 14.2% |
| 令和3年度(2021年) | 2,548人 | 325人 | 12.8% |
| 令和2年度(2020年) | 2,499人 | 264人 | 10.6% |
| 令和元年度(2019年) | 2,897人 | 338人 | 11.7% |
| 平成30年度(2018年) | 3,089人 | 363人 | 11.8% |
| 平成29年度(2017年) | 3,303人 | 400人 | 12.1% |
| 平成28年度(2016年) | 3,636人 | 454人 | 12.5% |
| 平成27年度(2015年) | 3,895人 | 521人 | 13.4% |
図表:国税庁の税理士試験結果を基に坂根作成
相続税法の合格率は、消費税法と同じぐらいです。
簿記論や財務諸表論と異なり、20%や30%の合格率になる年度が頻繁にあるような甘い試験ではありません。
落ちる人は本当に落ち続ける試験科目です。
わたしの知り合いでも、法人税法を含む4科目は4年ほどでスムーズにとれたものの、最後に相続税法1科目を残して相続税法を5回受験した方もいます。
しっかり勉強しないと合格できない科目なので気を抜いてはいけません。
税理士試験全体の科目別合格率は、次の記事で解説しています。
相続税法に1発合格する勉強方法
相続税法に1発合格するには、理論と計算を同時に進め、教科書に載っている基本論点をすべて取れる状態にしてください。ヤマカンで範囲を絞るのではなく、試験当日に「自分が解けなければ他の人も解けない」と思えるまで仕上げます。
| 勉強内容 | 合格するためにやること |
|---|---|
| 計算 | 個別問題を繰り返し、財産評価と税額計算を正確にする |
| 理論 | 理論テキスト全体を繰り返し、細かい要件まで覚える |
| 総合問題 | 2時間以内に解く順番と時間配分を身につける |
| 答練 | 間違えた問題を放置せず、原因を確認して解き直す |
| ミス対策 | 転記、集計、電卓、読み飛ばしのミスを記録する |
計算は教科書の内容をすべてマスターする
相続税法の計算では、宅地、家屋、上場株式、非上場株式など、財産ごとに異なる評価方法を使います。
一つひとつの論点は理解できても、総合問題では複数の財産を評価し、相続人ごとの課税価格や税額まで集計しなければなりません。
まずは個別問題を繰り返し、評価方法を見た瞬間に計算手順が浮かぶ状態にしてください。
その後、総合問題を繰り返し、集計のスピードと正確性を上げます。
難しい問題を解くことより、教科書に載っている基本問題をミスなく解くことが重要です。
理論は一部に絞らず全部覚える
相続税法の理論は、非常に細かく覚えにくいです。
しかし、「今年はここが出そう」というヤマカンで勉強すると、外れたときに1年を失います。
理論テキストを最初から最後まで繰り返し、重要な規定だけでなく、細かい要件やカッコ書きまで覚えましょう。
理論暗記は、一度覚えて終わりではありません。
- 文章を読んで内容を理解する
- 見ずに口に出す
- 覚えていない部分を確認する
- 翌日、1週間後、1か月後に繰り返す
- 答案用紙へ書けるか確認する
計算を優先し、理論暗記を直前期まで後回しにすると間に合いません。
講義が始まった段階から、毎日理論へ触れてください。
ケアレスミスをなくす
相続税法は受験生のレベルが高いため、ワンミスが命取りになります。
計算方法が分かっていたとしても、転記ミス、電卓ミス、相続人の見落とし、財産の集計漏れがあれば点数になりません。
間違えたときに「分かっていたから大丈夫」で終わらせないでください。
| ミス | 対策 |
|---|---|
| 財産の集計漏れ | 問題文へ印を付け、答案へ転記したらチェックする |
| 相続人の判定ミス | 最初に親族関係図を書いて確認する |
| 電卓ミス | 入力手順を固定し、重要な数字は検算する |
| 単位ミス | 円・千円など、問題の単位を最初に囲む |
| 時間不足 | 答練ごとに解答順序を試し、捨てる問題を判断する |
難しい論点より基本を優先する
複数年受験になると、前年に勉強していない難しい論点へ手を出したくなります。
しかし、本試験の合否を分けるのは、多くの受験生が解ける基本問題です。
難しい論点を一つ覚えるより、教科書に載っている基本論点をすべて正確に解ける状態にしてください。
基本を押さえたうえで余裕があれば、難しい論点へ進みましょう。
今の講座や教材で合格まで勉強を続けられるか不安な方は、スタディングの評判、料金、向いている人を次の記事で確認してください。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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相続税法の受験をお勧めする3つの理由
相続税法は、簿記や会計が苦手な方にもチャンスがあり、実務で使え、所得税法より試験範囲の負担を抑えられるためお勧めです。
相続税法の受験は、主に次の3つの理由からお勧めです。
ポイント
- 簿記、会計の知識がまったくいらないので初学者でも戦える
- 実務で使える
- 試験範囲のボリュームが所得税ほど多くない
簿記、会計の知識がまったくいらないので初学者でも戦える
相続税法は、簿記、会計の知識がまったくいりません。
法人税や消費税は会社や個人事業主にかかる税金であり、その基礎として簿記や会計の知識が必要です。
しかし、相続税や贈与税は、個人の財産にかかる税金です。つまり、簿記や会計とは全く関わりがないため簿記・会計の知識が必要ありません。
非上場株式の評価など、一部会計の知識が全くいらないと言えばウソになります。
ただし、相続税法を受験するうえでは、今まで簿記論、財務諸表論、日商簿記であまり良い成績でなかった人でもトップを目指せるチャンスがあります。
みんなゼロからのスタートなので、ちゃんと勉強すれば上位で合格することができます。
実務で使える
相続税法の受験は実務、つまり仕事にも役立ちます。
なぜなら、相続は、だれにでも起こるからです。
個人の所得税申告や法人の申告をメインに行っていても、贈与や相続の話しはどこかで絡んできます。
法人税の知識だけではだめですし、所得税の知識だけでもだめです。相続税法の知識は税理士にとって必要です。
相続税法を受験し、仕事で使う知識を学びましょう。
ポイント
相続税法の知識が役立つ場面の一例
- 中小企業の顧問先の社長が引退する→株式の相続税評価の知識などが最低限必要
- 相続税申告、贈与税申告の仕事を行うことになった→相続税法の試験で学ぶ知識はすべて必要(実際は、それだけだと全く足りないですけどね)
試験範囲のボリュームが所得税ほど多くない
税理士試験の科目選択で相続税法と所得税法どちらを受けるか悩む方が多いですが、相続税法をおすすめします。
理由は大きく次の2つです。
試験範囲のボリュームTOP2は法人税法、所得税法であり、どちらも仕事では必要ですが、重要性は圧倒的に法人税法の方が高いです。
相続税法のかわりに所得税を受験するのももちろんアリです。
ただし、法人税法と考え方が似通っていることや、所得税法の試験ボリュームを考えると、所得税法より相続税法を受験した方が負担は軽くなります。
税理士試験の科目選択全体については、次の記事もご覧ください。
関連記事:【税理士試験】おすすめの科目選択を3年5科目税理士が解説
相続税法の受験は実務とどう違う?
相続税法の試験で学ぶ知識は実務の基礎になりますが、試験と実務は別物です。実務では税法だけでなく、民法、不動産登記、戸籍、名義預金など幅広い知識が必要です。
相続税法の試験では、税金面に関する話を学びます。
しかし、実際の相続や贈与の場面においては民法や不動産登記法などが絡んできます。
弁護士や司法書士、行政書士など他士業との連携が必要です。
すべてを学ぶ必要はありませんが、専門分野以外についても学んでいかなければいけません。
また、相続税法のなかでも、戸籍の読み方や名義預金の判定など、試験で学んでいない知識がめちゃくちゃ要求されます。
このように、どの試験科目においても言えることですが、試験と実務は別物です。
ただ、別物と言っても基礎は大事です。
根本的な部分がわかっておらず、小手先の勉強だけしていてはシロウトの方と変わりませんので、相続税法の受験はしておきましょう。
ちなみに、4士業の共著「相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本」で相続について幅広く学ぶことができます。
相続の仕事を扱いたいのであれば、こちらの購入もあわせておすすめします。試験には全く役に立ちません笑。
| ランキング部門 | ランキング |
|---|---|
| Yahooブックス くらしの法律の本 | 1位 |
| Amazon 遺言・相続・贈与 | 2位 |
かなり売れていますので、勉強に、ぜひご購入ください。
相続税法は独学で合格可能?
相続税法は独学での合格は厳しいです。市販教材が少なく、法改正、理論暗記、答練、本試験レベルの総合問題へ自力で対応しなければならないからです。

相続税法は独学での合格は厳しいです。
簿記論や財務諸表論は日商簿記1級などの延長線のため、さほど苦労しなかったかもしれませんが、相続税法はレベルが上がります。
市販のテキストもほとんどありませんし、何より、毎年法改正があるためテキストだけだと対応できません。
| 独学で不足しやすいもの | 必要な理由 |
|---|---|
| 受験年度の教材 | 法改正へ対応するため |
| 理論教材 | 試験で書くべき表現を覚えるため |
| 総合問題 | 財産評価から税額計算まで一連の流れを練習するため |
| 答練・模擬試験 | 受験生の中での順位と、本試験の時間配分を確認するため |
| 講師の解説 | 独学では理解しにくい論点を短時間で理解するため |
いまはテキストに問題集、講義に模擬試験までついて数万円のスタディングなど格安通信講座があります。
通信講座に絞ることで、通学講座より料金を抑えて勉強できます。
スタディングの評判、教材、価格、向いている人は次の記事で解説しています。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
格安通信講座スタディングなら、大原など大手予備校の6分の1の価格で勉強を始められます。今すぐ勉強を開始して、確実な合格を手に入れましょう。
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相続税法に関するよくある質問
税理士試験の相続税法について、勉強時間、難易度、合格率、独学などのよくある質問へ回答します。
相続税法の勉強時間は何時間ですか?
相続税法に1年で合格したいなら、1,000時間ほど見ておきましょう。予備校が公表する450~520時間には、理論暗記や繰り返し学習にかかる時間が十分に含まれていません。
相続税法は450時間で合格できますか?
すでに相続実務の経験がある方や、暗記と計算が得意な方なら合格できる可能性はあります。ただし、初学者が理論と計算を高い完成度まで仕上げるなら、さらに多くの勉強時間を見込むべきです。
働きながら相続税法へ1年で合格できますか?
可能です。平日3時間、土日5時間を10か月続ければ約1,000時間を確保できます。残業が多い方は、朝や通勤時間も使い、受験科目を相続税法1科目へ絞りましょう。
相続税法の難易度はどのぐらいですか?
税理士試験の中では中の上です。試験範囲が広く、理論と計算の両方が必要なうえ、複数科目へ合格済みの受験生が多いため、基本問題のミスが合否に影響します。
相続税法の合格率は何%ですか?
長期的には毎年概ね10%~13%台です。令和7年度は受験者2,413人、合格者333人、合格率13.8%でした。
相続税法は初学者に不利ですか?
不利ではありません。相続税法は簿記論、財務諸表論、法人税法などと試験範囲がほとんど重ならず、多くの受験生がゼロから始めます。簿記や会計が苦手な方でも上位を目指せます。
相続税法は独学で合格できますか?
可能性はありますが、厳しいです。市販教材が少なく、法改正、理論暗記、答練、総合問題へ対応する必要があるため、予備校や通信講座の利用をおすすめします。
相続税法と所得税法はどちらがおすすめですか?
法人税法を受験するのであれば、私は相続税法をおすすめします。相続税法は所得税法より試験範囲のボリュームが少なく、相続・贈与・自社株評価など別分野の知識を学べるからです。
相続税法は実務で役立ちますか?
役立ちます。相続税申告、贈与税申告、財産評価、非上場株式の評価、事業承継などで基礎知識を使います。ただし、実務では民法、登記、戸籍、名義預金など試験外の知識も必要です。
相続税法の勉強はいつから始めるべきですか?
1,000時間を確保するなら、税理士試験の約10か月前には始めたいところです。働きながら勉強する方や繁忙期に残業が増える方は、さらに早く始めましょう。
相続税法は1,000時間勉強して1発合格しよう
相続税法に1年で合格したいなら、予備校公表の450~520時間ではなく、実際には1,000時間ほど見ておきましょう。
相続税法は、試験範囲が広く、理論と計算の両方を高い完成度まで仕上げなければ合格できません。
また、2科目、3科目、4科目へ合格している受験生も多く、基本問題のケアレスミスが命取りになります。
一方、他の税理士試験科目と範囲が一切かぶらないため、初学者にもチャンスがあります。
相続税申告、贈与税申告、自社株評価、事業承継など実務でも役立つため、税理士になった後まで考えれば受験する価値が高い科目です。
合格するために必要なことは次のとおりです。
- 最初から1,000時間を確保する計画を立てる
- 計算と理論を同時に進める
- 理論を一部に絞らず全部覚える
- 教科書に載っている計算問題をすべてマスターする
- 答練と総合問題を繰り返す
- ケアレスミスを記録してなくす
- 独学にこだわらず、予備校や通信講座を利用する
相続税法の講座を選ぶ方は、スタディングの評判、教材、料金を解説した次の記事もご覧ください。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
格安通信講座スタディングなら、大原など大手予備校の6分の1の価格で勉強を始められます。今すぐ勉強を開始して、確実な合格を手に入れましょう。
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大原やTACの6分の1で勉強を始められる、通信講座専門の「スタディング」。
ライバルより早く勉強を開始して差をつける、お申し込みはお早めに!
税理士試験に落ちないために知っておくべきこと
相続税法の勉強時間を確保しても、勉強方法や教材の使い方を間違えれば不合格になります。
わたしは21歳で税理士試験に3年5科目合格し、税理士になりました。
「税理士試験の合格が21歳なんて早い!羨ましい!」そう思う方もいるでしょう。
私は2年で5科目合格を目指しましたが、法人税法に不合格となり、結果として3年で5科目合格しました。
その経験から、税理士試験に落ちないために知っておくべきこと、専門学校や教材との付き合い方、翌年の勉強で変えたことを有料noteで本音で語っています。
1年に1回しかない税理士試験で同じ失敗を繰り返したくない方は、勉強を進める前にご覧ください。
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