税理士試験で国税徴収法を受験するという選択は無しではありませんが、正直おすすめしません。
この記事では、21歳5科目合格した税理士の坂根が解説します。
ポイント
- 国税徴収法の合格率は11%~13%程度
- 受験者数は1,600人程度と決して少なくはないが、ボリュームの大きい科目と比べると受験者数が少ないため争いが激しい
- 難易度は税理士試験のなかでは「中」
- 国税徴収法の合格に必要な勉強時間の目安は、400~800時間
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税理士試験の国税徴収法とは?
税理士試験には11科目あり、そのうちの1つとして「国税徴収法」の科目があります。
国税徴収法ってどんな試験?
国税徴収法は、国税の滞納処分や徴収に関する手続の執行に関して定めており、納税義務の適正な実現を通じて税収の確保を目的とした法律です(参考:国税徴収法第1条)。
つまり、税務署が税金を徴収するための法律です。
なお、税理士試験の各科目のうち、税金の計算方法などに関する試験でないのは国税徴収法のみです。
他の科目は法人税や相続税など、税金に関する科目ですが、国税徴収法の科目は異質の存在です。
関連記事税理士試験の法人税法の難易度は?3年で5科目合格した税理士が解説
国税徴収法の出題範囲は?
国税徴収法の出題範囲は国税庁ホームページに次の通り公表されています。
「当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。」
国税徴収法、国税徴収法施行令、国税徴収法施行規則だけでなく、租税特別措置法や国税通則法なども出題範囲に含まれており、勉強しなければならない範囲は多いです。
ただ、他の税法科目と比べると出題範囲は広くありません。
国税徴収法の合格率は?
図:国税庁 令和元年度(第69回)税理士試験結果表(科目別)
国税徴収法は下から5行目にあり、令和元年度の合格率が12.7%、平成30年度合格率が10.7%です。
国税徴収法の過去の合格率推移
国税徴収法の合格率 | |
70回 (2020)令和2年度 | 12.2% |
69回(2019)令和元年度 | 12.7% |
68回(2018)平成30年度 | 10.7% |
67回(2017)平成29年度 | 11.6% |
66回(2016)平成28年度 | 11.6% |
65回(2015)平成27年度 | 14.2% |
64回(2014)平成26年度 | 13.2% |
63回(2013)平成25年度 | 12.9% |
62回(2012)平成24年度 | 13.6% |
61回(2011)平成23年度 | 13.3% |
60回(2010)平成22年度 | 12.1% |
59回(2009)平成21年度 | 11.3% |
国税徴収法の合格率は概ね11%~13%ぐらいで推移しており、合格率は安定しています。
国税徴収法の難易度は?
国税徴収法の難易度は、税理士試験の中では中レベルです。
国税徴収法は理論100点、計算なしで100点満点の試験となっています。
なお、表向きは60点で合格となっていますが、これは「6割とればいいなら楽勝」と言うわけではありません。
先程説明したように合格率は11%~13%程度しかありません。
つまり、60点とれば合格なのではなく、上位10%程度に入れたら合格できるということです。
参考に、資格の大原の解答速報では次のように語っています。
【第71回 税理士試験】
— 資格の大原 税理士 (@o_hara_zeirisi) August 20, 2021
国税徴収法の解答速報をアップしました!
ボーダーラインは
第一問 38点
第二問 31点
合 計 69点
確実ラインは79点になると思われます。
本試験採点·分析サービスと合わせてご利用ください!!https://t.co/5fkgbhXp9i pic.twitter.com/Ypjg1vf5Ix
ボーダーラインは69点、合格確実ラインは79点になると思われます。60点が合格ではないと堂々と言っており、これが真実です。
そのため、合格するためには点数をとれるところを全部とらないと合格できないでしょう。
以下のnoteで、税理士試験を1発合格するための秘訣をご紹介していますので、こちらの記事もぜひご覧ください。
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関連記事:高卒でも21歳5科目合格できた税理士試験の完全マニュアル【非常識合格法】
国税徴収法の受験者層は?
国税徴収法の受験者層は、税理士試験の中では中程度です。
簿記論、財務諸表論の合格は基本的に済んでいる方ばかりであり、最後の1科目として受験される方もいます。
ただし、酒税法と並び、試験範囲が狭いからという半端な気持ちで受験する方もいます。
そのため、国税徴収法の受験者レベルは税法科目のなかでは中程度です。
関連記事:【税理士試験】簿記論合格に必要な勉強時間など3年5科目税理士が解説
国税徴収法の勉強時間の目安は?
国税徴収法の合格に必要な勉強時間は、400~800時間程度見ておきましょう。
国税徴収法の合格に必要な勉強時間の目安は、大原は170時間、TACは150時間と公表しています。
酒税法と同じく、一番短い勉強時間です。
ただ、これは理論暗記の時間が含まれていませんので、最低でも2倍程度の400時間は見ておきましょう。
しかしながら、国税徴収法は例年、理論100点、計算なしの問題ですから、理論暗記に最も時間を割くべきと考えられます。そのため、現実的には600~800時間程度の勉強は必要でしょう。
以下の記事、税理士試験の他の科目の合格に必要な勉強時間など公開していますので、税理士試験の受験をされる方は以下の記事もご覧ください。
関連記事:税理士試験に21歳で短期5科目合格した勉強方法や勉強時間を大公開
国税徴収法の受験をお勧めしない3つの理由
国税徴収法の受験をお勧めしない3つの理由をご紹介します。
ポイント
- 実務での重要性が高くない
- 税務署OBに敵わない
- 合格した後も心残りになることがある
実務での重要性が高くない
国税徴収法は税務署が税金を徴収するための、主に手続きに関する法律です。
そのため、法人税法や消費税法などと異なり、税金の計算方法などについて学ぶ試験ではありません。
つまり、実務に直結しない可能性が高いです。
税務調査が行われたときのためなど、学んでおいて損はありませんが、税理士として学ばなければならないことは数多くあります。
そのため、国税徴収法の勉強は、他の科目と比較すれば重要性が高くありません。
関連記事:【税理士試験】消費税法の難易度や勉強時間は?半年1発合格税理士が解説
税務署OBに敵わない
国税徴収法は税務署が税金を徴収するための法律です。
そのため、試験組の税理士が国税徴収法の勉強をしても、税務署での勤務経験を持つ税務署OB税理士に敵わない可能性が高いです。
合格した後も心残りになることがある
国税徴収法は酒税法と並ぶ、受験ボリュームが少ない「ミニ税法」です。
合格後に、相続税法や消費税法など、きちんとした科目を受験しておけば良かったと心残りになる方がいます。
国税徴収法を学びたいというのであれば良いですが、もし、逃げの一手として国税徴収法を選ぶと後悔する可能性があります。
関連記事:【税理士試験】相続税法の勉強時間、勉強方法を1発合格税理士が解説
国税徴収法は独学で合格可能?
国税徴収法は独学での合格はむずかしいです。
税理士試験は基本的にミスが1つも許されず、もし1つでもミスしたらまた来年受験、という恐ろしい試験です。
独学用にテキストを市販している予備校はほとんどなく、また、販売している場合でも講座で使用しているものよりグレードが低い場合があります。
加えて、独学では模擬試験を受けられないのが厳しいです。
もし予備校の模擬試験と似たような問題が本試験で出題された場合、自分ひとりだけ見たことも無い問題なので不合格まっしぐらです。
いまはテキストに問題集、講義動画に模擬試験までついて数万円という格安通信講座「スタディング」もあります。
独学で1年間を無駄に過ごすのは非常にもったいないので、金銭的に困っている方は下記の記事をご覧ください。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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大原やTACの6分の1で勉強を始められる、通信講座専門の「スタディング」。
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オススメの科目選択は?
国税徴収法より相続税法や消費税法を受験した方が良いでしょう。 仕事で役に立ちます。
科目選択で悩んでいる方は下記の記事をご覧ください。わたしが実際に選んだ科目などご紹介していますので参考にしてみてください。
関連記事:【税理士試験】おすすめの科目選択について税理士が解説
税理士試験に落ちないために知っておくべきこと
「税理士試験の合格が21歳なんて早い!羨ましい!」そう思う方もいるでしょう。
このnoteは、2年で5科目合格を目指したものの、残念ながら法人税法に不合格になった経験(=3年で5科目合格となった経験)から、税理士試験に落ちないために知っておくべきことを本音で語っています。
本音を言えば無料で公開してもよいのですが、 専門学校に対する批判なども含んでおり、あまり公にしたくない内容となっています。
そのため、税理士試験に合格したいと本気で思っている方限定で有料公開することとしました。
本気で一発合格を目指す方は下記の記事をご覧ください。税理士試験に合格するための秘訣がわかります。
1年に1回しかない税理士試験、本気で合格したい方は今すぐ読んで税理士試験に一発合格してください。
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