税理士試験

【税理士試験】固定資産税の勉強時間や難易度は?3年5科目合格税理士が解説

悩んでいる人
税理士試験で固定資産税を受験しようと考えています。勉強時間すくなくて済みそうだし、どうでしょう?

勉強時間の目安としては500~800時間程度見ておきましょう。他の科目と比べると少な目です。

ただし、試験科目として存在する以上、受験するという選択肢は無しではありませんが、せっかく勉強する時間があるのであれば、固定資産税以外の科目を受験することをおすすめします。

この記事では、税理士の坂根が税理士試験の固定資産税について解説します。

ポイント

  • 受験しても仕事にあまり役に立たない
  • 税理士試験の固定資産税は今後廃止される可能性がある
  • 合格に必要な勉強時間は500~800時間が目安。この勉強時間は少なくないので、他の科目に充てた方が良いかも
  • 独学は流石に厳しい、テキスト購入代金と同じぐらいで勉強できる格安通信講座「スタディング」などを活用しよう

【税理士試験】スタディングの評判は最悪?21歳5科目合格税理士が解説

税理士試験の固定資産税はどういう試験?

税理士試験には11科目あり、そのうちの1つとして「固定資産税」の科目があります。

税理士の仕事をするうえで、がっつり固定資産税の知識が必要という場面は少ないため、受験する人は年間870人程度しかいない試験科目となっています。

  • 固定資産税は固定資産を保有している人にかかる税金
  • 出題範囲は「地方税法」等の一部。「固定資産税法」は無く、出題範囲は狭い。

固定資産税は固定資産を保有している人にかかる税金

固定資産税は、固定資産を保有している人にかかる税金です。 

毎年1/1時点で持っている固定資産に対してかかります。個人の場合は自宅(建物、土地)の固定資産税の通知が毎年おくられてくるのを見たことがあるかもしれません。

事業を行っている場合は毎年都税事務所等に、持っている固定資産を報告し、区役所等から税額の通知がおくられてきます。机や椅子、パソコンなど、貸借対照表にのっている固定資産の科目のほとんどに対して固定資産税(償却資産税)が課税されるイメージです。

出題範囲は「地方税法」等の一部。「固定資産税法」は無く、出題範囲は狭い

固定資産税の出題範囲は国税庁ホームページに次の通り公表されています。

「当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。」

  • 地方税法
  • 地方税法施行令
  • 地方税法施行規則
  • 地方税法総則 など

一見すると出題範囲は広く、多くの勉強をしないといけないように思えます。

ただし、「固定資産税法」という法律はなく、固定資産税の取り扱いは地方税法に規定があります。

そのため、税理士試験の固定資産税の試験では、地方税法等のうち、固定資産税部分について学びます。  

地方税法という1つの法律のうちの一部しか学びませんので、法人税法や所得税法、相続税法など他の税法科目と比べると出題範囲はかなり狭いです。  

固定資産税の合格率は約13%~15%

図:国税庁 令和元年度(第69回)税理士試験結果表(科目別)

固定資産税は下から2行目にあり、令和元年度の合格率が13.7%、平成30年度合格率が14.9%です。

固定資産税の過去の合格率推移

固定資産税の合格率
70回 (2020)令和2年度 13.5%
69回(2019)令和元年度 13.7%
68回(2018)平成30年度 14.9%
67回(2017)平成29年度 13.3%
66回(2016)平成28年度 14.6%
65回(2015)平成27年度 14.8%
64回(2014)平成26年度 14.8%
63回(2013)平成25年度 13.7%
62回(2012)平成24年度 17.0%
61回(2011)平成23年度 12.2%
60回(2010)平成22年度 10.5%
59回(2009)平成21年度 10.0%

固定資産税の合格率は概ね13%~15%ぐらいで推移しています。

簿記論や財務諸表論と比べれば合格率は低いですが、税法科目の中では比較的高い合格率で推移しています。

ただし、年度によっては合格率が10.0%や17.0%の年もあるので、ブレがあります。いずれにせよ、年間100人程度しか合格できない試験ですので、きちんと勉強しないと合格はできません。

固定資産税の難易度は中レベル

固定資産税の難易度は、税理士試験のなかでは中レベルです。

固定資産税は理論50点、計算50点で100点満点の試験となっています。 

表向きは60点で合格ですが、「6割とればいいなら楽勝」と言うわけではありません。

先程説明したように合格率は13%~15%程度しかなく、1年に100人しか合格できません。

試験委員を担当された方から話を伺ったことがありますが、実際に、合格ラインの60点をどう割り振るかと言うと、受験生の中で上位10%程度になるように調整しているようです。

資格の大原や他の予備校でも、次のように、解答速報で合格ラインの予想が60点を超えています

合格ラインが60点というよりは、上位10%に入ったら60点になると考える必要があり、とける問題は全部とらないと合格できない試験です。

また、固定資産税はボリュームが少ない科目のため、皆と差がつかず、ミスが許されません。

このように、固定資産税に受からず他のボリュームある科目を受験される方や、固定資産税を4回受験してようやく合格したという方もいます。ボリュームが少ないからと、なめていると合格できません。

以下のnoteでは、税理士試験を1発合格するために知っておいていただきたいことをご紹介していますので、こちらの記事もぜひご覧ください。

>>税理士試験に落ちないために知っておくべきこと

固定資産税の受験者層は?

固定資産税の受験者層は、税理士試験の中では中程度です。

簿記論、財務諸表論の合格は基本的に済んでいる方ばかりです。

ただし、試験範囲が狭いからという理由で半端な気持ちで受験する方もいます。 そのため、固定資産税の受験者レベルは税法科目の中では中程度です。

固定資産税の勉強時間の目安は?

悩んでいる人
固定資産税はミニ税法だから、1日の勉強時間は1時間ぐらいで合格できますか?1時間×30日×1か月で330時間!

ミニ税法と言えど、1日1時間の勉強だと合格は厳しいです。固定資産税の合格に必要な勉強時間は、500~800時間程度見ておきましょう。

固定資産税の合格に必要な勉強時間の目安は、大原は190時間、TACは250時間と公表しています(参考:税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説)。

ただし、この時間には理論暗記の時間が含まれていません。最低でも2倍の500時間は見ておきましょう。

また、固定資産税の試験範囲は広くありませんので、他の受験生と差がつきません。そのため、テキストを満遍なく勉強しておくことはもちろん、ケアレスミスが無いよう完璧にする必要があります。

合格をより確実にするために、800時間程度の勉強が必要と考えておくと良いでしょう。

以下の記事で、固定資産税以外の科目の合格に必要な勉強時間など公開していますので、税理士試験の受験をされている方は、こちらの記事もご覧ください。

>>税理士試験の5科目合格に必要な勉強時間の目安を税理士が解説

固定資産税の受験をお勧めしない3つの理由

固定資産税の受験をお勧めしない理由を4つご紹介します。

  • 実務における優先度が高くない
  • 出題範囲が広くない
  • 合格した後も心残りになる可能性がある
  • 固定資産税は今後税理士試験科目から廃止される可能性がある

実務における優先度が高くない

役に立たないんかい!

固定資産税は実務で勉強できます。わたしもそうですが、税理士になった方の内、税理士試験で固定資産税を受けなかった人がほとんどです。

そして、固定資産税は法人税や所得税と比べると、学んでおくべき範囲が広くありません。

もちろん勉強は必要ですが、必ず勉強しなければならない他の税法科目と比べると、優先順位はどうしても落ちてしまいます。

そのため、固定資産税の受験まで行うメリットは多くありません。

出題範囲が広くない

固定資産税の出題範囲は、地方税法の一部ですので広くありません。

つまり、受験生同士であまり差がつかないということです。

しっかり勉強し、ミスを一切起こさないよう、きちんと勉強しないといけません。

もし不合格になってしまった場合、次の受験は来年です。

そのようなリスクをとるよりは、2、3個程度であればミスが許される、ボリュームが大きい科目を選んだ方が良いでしょう。

合格した後も心残りになる可能性がある

固定資産税は出題範囲が広くなく、また、仕事でかなり役に立つ、というわけではありません。

固定資産税を含め、ミニ税法を受験した人は、「相続税法」「法人税法」「所得税法」など、ボリュームの大きい科目を、きちんと理解できるよう受験で勉強しておけば良かったと後悔する方もいます。

もし逃げの一手として固定資産税の受験を考えているのであれば、何のために税理士になりたいのかを再度考え直してみると良いでしょう。

固定資産税は今後、税理士試験科目から廃止される可能性がある

平成22年ぐらいから話題になっていましたが、平成24年に税理士法の改正が見直された際、酒税法と固定資産税を税理士試験の科目から廃止することが検討されたことがあります

税理士が強制加入される日税連(日本税理士会連合会)の会合で、毎年法改正の意見が出されますが、そのうちの1つとして、固定資産税を税理士試験から廃止することが検討されました。

結果として今も固定資産税の試験は残されていますが、廃止が検討されるぐらいに、固定資産税の試験科目の重要性が高くないことがわかります。

当時の固定資産税の受験生は約2,100人と、いまの2倍以上の受験生がいましたが、いまは年間870人しか受験生がいませんので、もしまた廃止の話しが出た場合には、本当になくなってしまう可能性があります。

固定資産税は独学で合格可能?

悩んでいる人
固定資産税って、ボリューム少ないですよね。独学でも合格できますか?

固定資産税は独学での合格は少々厳しいと思います。

試験範囲が広くないため、ライバルとそこまで差が付きません。

1つでもミスしたらまた来年受験、という恐ろしい試験ですし、もし予備校の模擬試験と似たような問題が出題された場合、自分ひとりだけ見たことも無い問題なので不合格まっしぐらです。

独学は効率が良くないため、予備校を活用することをお勧めします。

いまはテキストに問題集、講義に模擬試験までついて数万円という格安通信講座「スタディング」もあります。市販のレベルの低いテキストを買うだけでも同じぐらいの料金はかかるので、こういった通信講座を活用しても良いでしょう。

【税理士試験】スタディングの評判は最悪?21歳5科目合格税理士が解説

固定資産税よりオススメの科目選択は?

悩んでいる人
固定資産税はミニ税法だから,勉強したくないオレにとって最適だと思うんですけどどうですか?

固定資産税は簡単に合格できる試験というわけではありませんし、試験で学んだ内容を仕事で必要とする場面が限定的です。

そこに時間を割くのであれば、ボリュームが多くはないが仕事で必須の「消費税法」、ボリュームはあるけど絶対に役立つ「相続税法」の受験をお勧めします。

以下の記事で、わたしが実際に受験した科目などご紹介していますので参考にしてみてください。

>>【税理士試験】おすすめの科目選択について税理士が解説

税理士試験に落ちないために知っておくべきこと

「税理士試験の合格が21歳なんて早い!羨ましい!」そう思う方もいるでしょう。

このnoteは、2年で5科目合格を目指したものの、残念ながら法人税法に不合格になった経験(=3年で5科目合格となった経験)から、税理士試験に落ちないために知っておくべきことを本音で語っています。

本音を言えば無料で公開してもよいのですが、 専門学校に対する批判なども含んでおり、あまり公にしたくない内容と なっています。

そのため、税理士試験に合格したいと本気で思っている方限定で有料公開することとしました。

本気で一発合格を目指す方だけ、こちらをクリックしてご覧いただければ、税理士試験に合格するための秘訣がわかります。

1年に1回しかない税理士試験、本気で合格したい方はぜひ今すぐご覧ください

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税理士 坂根 崇真

18歳で日商簿記1級、21歳で税理士試験に3年5科目合格した税理士。一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、その他 株式会社の代表取締役。著書「相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本(出版社:秀和システム)」Yahoo!ブックスランキング1位、Amazonランキング2位。中の人は複数人で運営しています。

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