
結論から言うと、国税徴収法の合格に必要な勉強時間は実際には400~800時間ほどです。また、試験範囲が少ないという理由だけで選ぶことはおすすめしません。
予備校が公表している勉強時間は100~150時間ほどですが、理論暗記や忘れた内容の復習、過去問、答練のやり直しまで含めると、さらに多くの時間が必要です。
国税徴収法は試験範囲が比較的狭い分、受験生が高い完成度まで仕上げてきます。
「ボリュームが少ないから楽そう」という理由で始めると、思ったより理論を覚えられず、何年も受からない可能性があります。
この記事では、21歳で3年5科目合格した税理士の坂根が解説します。
この記事で分かること
- 国税徴収法の実際の勉強時間
- 予備校公表の150時間では足りない理由
- 国税徴収法の難易度とボーダー
- 国税徴収法の最新合格率
- 国税徴収法に受からない理由
- 国税徴収法へ合格する勉強方法
- 国税徴収法をおすすめしない理由
- 国税徴収法を選んでもよい人
- 国税徴収法に独学で合格できるか
国税徴収法の結論
- 国税徴収法の勉強時間は実際400~800時間ほど
- 予備校公表の100~150時間だけで判断しない
- 試験範囲が狭いため、基本論点のミスが命取りになる
- 難易度は税理士試験の中では「中」だが、簡単ではない
- 令和7年度の合格率は13.8%
- 実務で使用する頻度は法人税法・消費税法・相続税法より低い
- 試験範囲が少ないという理由だけで選ぶことはおすすめしない
これから税理士試験の勉強を始める方は、教材や料金、向いている人をまとめた次の記事もご覧ください。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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国税徴収法の勉強時間は実際400~800時間
国税徴収法の合格に必要な勉強時間は、実際には400~800時間ほど見ておきましょう。講義時間だけでなく、理論暗記、復習、過去問、答練、答案作成まで含めて考える必要があります。
| 公表・見積もり | 勉強時間 | 注意点 |
|---|---|---|
| TAC | 150時間 | 講義時間を含むが、理論暗記の時間は含まれていない |
| スタディング | 100~150時間 | 標準学習時間であり、暗記に必要な時間には個人差がある |
| 一般的な資格記事 | 150~500時間程度 | 講義中心か、理論暗記まで含むかで数字が大きく異なる |
| 坂根の見積もり | 400~800時間 | 講義、理解、理論暗記、復習、過去問、答練を含む実際の目安 |
国税徴収法は、税理士試験の中では学習範囲が少ない「ミニ税法」と呼ばれています。
しかし、学習範囲が少ないことと、短時間で合格できることは同じではありません。
TACが公表している150時間には、理論暗記にかかる時間が含まれていません。
国税徴収法は理論を中心に得点する科目ですので、最も時間がかかる理論暗記を除外した数字だけを見ても、実際に必要な勉強時間は分かりません。
理論は一度覚えれば終わりではありません。
- 最初に条文や制度の意味を理解する
- 理論を見ずに言えるようにする
- 答案用紙へ書けるようにする
- 忘れた理論を覚え直す
- 複数の規定を組み合わせて回答する
- 本試験の問い方に合わせて必要な内容を選ぶ
ここまで仕上げなければ、国税徴収法で安定して合格点を取ることはできません。
150時間で合格できる人もいるでしょうが、初学者が最初から150時間で合格できる前提を置くのは危険です。
国税徴収法の勉強時間が増える理由
国税徴収法は、単純に条文を丸暗記すれば合格できる試験ではありません。
| 勉強内容 | 時間がかかる理由 |
|---|---|
| 制度の理解 | 滞納処分、差押え、換価、配当、第二次納税義務などの流れを理解する必要がある |
| 理論暗記 | 要件、手続、効果、期限などを正確に覚える必要がある |
| 理論の再暗記 | 覚えた内容を維持するため、何度も繰り返す必要がある |
| 応用理論 | 複数の規定を事例へ当てはめ、自分で回答を組み立てる必要がある |
| 答案作成 | 知っている内容の中から、設問に必要な部分だけを書く練習が必要 |
| 過去問・答練 | 本試験特有の問い方と時間配分へ慣れる必要がある |
特に厳しいのは、理解していることと、答案用紙へ正確に書けることが別だという点です。
テキストを読んで「分かった」と思っても、何も見ずに答案を書こうとすると手が止まります。
国税徴収法は、知識を頭へ入れるだけでなく、制限時間内に答案として出すところまで仕上げなければなりません。
働きながら400~800時間を確保する計画
働きながら受験する方は、最初から400~800時間を確保する計画を立ててください。
| 目標勉強時間 | 10か月で必要な週平均 | 勉強時間のイメージ |
|---|---|---|
| 400時間 | 週10時間 | 平日1時間、土日各2.5時間 |
| 600時間 | 週15時間 | 平日1.5時間、土日各3.75時間 |
| 800時間 | 週20時間 | 平日2時間、土日各5時間 |
暗記が得意で、すでに税法科目の受験経験がある方なら、400時間程度で仕上がる可能性があります。
一方、税法科目が初めての方、暗記が苦手な方、仕事が忙しく復習の間隔が空く方は、600~800時間ほど見ておいた方がよいでしょう。
国税徴収法の勉強は何月から始めるべき?
国税徴収法へ確実に合格したいなら、9月から1月ごろまでには勉強を始めましょう。
| 勉強開始 | 本試験までの期間 | 判断 |
|---|---|---|
| 9月 | 約11か月 | 理論を何度も回せるため最も安全 |
| 1月 | 約7か月 | 働きながらでも合格を狙えるが、週の勉強量は増える |
| 4月 | 約4か月 | 暗記が得意な経験者向け。初学者には厳しい |
| 6月以降 | 約2か月 | 受験経験者の再受験を除き、合格水準まで仕上げるのは難しい |
「150時間なら4月からでも間に合う」と考えると、理論暗記が終わらない可能性があります。
勉強を始める時期が遅い方ほど、国税徴収法1科目に絞りましょう。
税理士試験全体の勉強時間と短期合格の方法については、次の記事で解説しています。
関連記事:税理士試験に21歳で短期5科目合格した勉強方法や勉強時間を大公開
税理士試験の国税徴収法とは?
国税徴収法は、納付されない税金を国がどのような手続で徴収するかを学ぶ科目です。法人税法や相続税法のように税額の計算方法を学ぶ科目とは性質が異なります。
| 項目 | 国税徴収法の概要 |
|---|---|
| 試験時間 | 2時間 |
| 試験の中心 | 理論・事例問題 |
| 主な内容 | 差押え、換価、配当、納税の猶予、第二次納税義務など |
| 計算問題 | 計算科目ではないが、事例の中で金額を求める設問が出ることはある |
| 簿記・会計知識 | 基本的にはほとんど必要ない |
| 難易度 | 税理士試験の中では中程度 |
| 実際の勉強時間 | 400~800時間 |
国税徴収法は税金を徴収する手続の法律
国税徴収法は、国税の滞納処分その他の徴収に関する手続を定めた法律です。
簡単に言えば、期限までに納付されなかった税金を、税務署がどのような順番と方法で徴収するかを定めています。
主に次の内容を学びます。
- 督促
- 財産の差押え
- 差し押さえた財産の換価
- 換価した代金の配当
- 納税の猶予・換価の猶予
- 第二次納税義務
- 国税と他の債権の優先関係
- 滞納処分と強制執行の関係
法人税法や所得税法では、所得や税額の計算方法を学びます。
一方、国税徴収法では、すでに発生した税金をどのように徴収するかを学びます。
税理士試験の税法科目の中では異質の存在です。
国税徴収法の出題範囲
国税徴収法では、国税徴収法だけを勉強すればよいわけではありません。
主な出題範囲
- 国税徴収法
- 国税徴収法施行令
- 国税徴収法施行規則
- 国税通則法
- 租税特別措置法
- 民法や民事執行法などの関連知識
他の主要税法と比べれば範囲は狭いですが、差押えから換価、配当までの手続を体系的に理解する必要があります。
個別の条文だけを丸暗記すると、事例問題で「今どの手続段階なのか」が分からなくなります。
国税徴収法の難易度は税理士試験の中で「中」
国税徴収法の難易度は、税理士試験の中では「中」程度です。ただし、学習範囲が少ないから簡単という意味ではなく、受験生の完成度が高いため一つのミスが合否へ影響します。
試験範囲が狭いほどミスが許されない
国税徴収法は法人税法や所得税法ほど試験範囲が広くありません。
しかし、試験範囲が狭ければ、他の受験生も全範囲を仕上げてきます。
難しい問題が出た場合は、多くの受験生が解けないため差がつきません。
一方、基本問題で条文を一つ書き忘れたり、要件を間違えたりすると、自分だけ点数を落とします。
国税徴収法は、分からない問題を解けるようにするより、分かる問題で絶対に落とさないことが重要な試験です。
国税徴収法のボーダーは60点とは限らない
税理士試験の公式な合格基準は、各科目とも満点の60%以上です。
ただし、実際の採点方法や配点は公表されていません。
自己採点で60点だったからといって、必ず合格できるわけではありません。
| 年度・予備校分析 | ボーダーライン | 合格ライン |
|---|---|---|
| 令和7年度・資格の大原 | 65点 | 76点 |
| 令和3年度・資格の大原 | 69点 | 79点 |
ボーダーラインは本試験の難易度によって毎年変わります。
国税徴収法では、70点台でも安心できない年度があります。
60点を目標にするのではなく、予備校の答練で上位10%以内へ安定して入ることを目標にしてください。
国税徴収法の受験者層は中程度だが上位は強い
国税徴収法の受験者層は、税理士試験の中では中程度です。
簿記論や財務諸表論へ合格し、最後の1科目として受験する人もいます。
一方、「ボリュームが少ないから」という理由だけで受験する人もいます。
受験生全体が最難関というわけではありませんが、合格圏内にいる受験生は理論を高い精度まで仕上げています。
上位へ入るには、基本理論をほぼ完璧にする必要があります。
国税徴収法の合格率は概ね11~14%
国税徴収法の合格率は、長期的には概ね11~14%で安定しています。令和7年度は受験者1,671人、合格者231人、合格率13.8%でした。
| 試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年) | 1,671人 | 231人 | 13.8% |
| 令和6年度(2024年) | 1,670人 | 217人 | 13.0% |
| 令和5年度(2023年) | 1,646人 | 228人 | 13.9% |
| 令和4年度(2022年) | 1,709人 | 235人 | 13.8% |
| 令和3年度(2021年) | 1,702人 | 234人 | 13.7% |
| 令和2年度(2020年) | 1,629人 | 198人 | 12.2% |
| 令和元年度(2019年) | 1,677人 | 213人 | 12.7% |
図表:国税庁の税理士試験結果を基に坂根作成
国税徴収法は、受験者数が約1,600~1,700人で推移しています。
消費税法などと比べれば受験者数は少ないですが、毎年一定数の受験生がいる科目です。
合格率だけを見ると他の税法科目と大きな差はありません。
「国税徴収法はミニ税法だから合格率が高い」ということもありません。
税理士試験全体の科目別合格率については、次の記事で解説しています。
国税徴収法に受からない6つの理由
国税徴収法に受からない最大の理由は、「試験範囲が少ないから簡単」と考え、理論を合格水準まで仕上げていないことです。
| 受からない理由 | 対策 |
|---|---|
| 150時間で合格できると思っている | 理論暗記を含めて400~800時間を確保する |
| 理論を理解しただけで終わる | 見ずに書けるところまで仕上げる |
| 個別理論しか覚えていない | 事例問題と応用理論を繰り返す |
| 試験範囲が狭いので油断する | 基本論点を一つも落とさない精度を目指す |
| 答案作成の練習が足りない | 時間を計って過去問と答練を解く |
| 逃げの科目選択をしている | 暗記適性と実務上の価値を考えて選ぶ |
150時間という数字を信じすぎている
150時間は、1日2時間勉強すれば約2か月半です。
その程度で税法科目へ合格できるのであれば、多くの受験生が国税徴収法を選び、簡単に合格しているはずです。
実際には、講義を受けるだけで150時間近くかかり、そこから理論暗記や復習が必要になります。
予備校公表の勉強時間を、そのまま合格までの総勉強時間だと考えないでください。
理論を読めば分かる状態で止まっている
国税徴収法は、テキストを読めば内容を理解しやすい科目です。
そのため、「理解できたから大丈夫」と勘違いしやすいです。
しかし、本試験ではテキストを見られません。
設問を読み、必要な規定を思い出し、答案用紙へ正確に書く必要があります。
テキストを見れば分かる状態ではなく、何も見ずに書ける状態を目指してください。
個別理論の暗記だけで応用問題を解いていない
個別理論を一題ずつ暗記していても、事例問題ではそのまま出題されません。
複数の規定を組み合わせ、事実関係へ当てはめる必要があります。
「この問題では何を書き、何を書かないか」を判断する力は、問題演習をしなければ身につきません。
基本問題でミスをしている
国税徴収法は試験範囲が狭いため、受験生の正答率が高くなります。
多くの受験生が解けるAランクの問題を落とすと、一気に順位が下がります。
難しい理論を増やす前に、基本理論の書き漏らしや用語の間違いをなくしてください。
答案を書く練習が足りない
国税徴収法では、頭の中で答えが分かっていても、答案へ書かなければ点数になりません。
理論を声に出すだけでなく、実際に答案用紙へ書く練習をしてください。
特に、次の点を確認します。
- 2時間で最後まで書けるか
- 設問に直接答えているか
- 必要な要件を書き漏らしていないか
- 関係のない理論を書きすぎていないか
- 条文番号や用語を正確に使えているか
国税徴収法を逃げの科目として選んでいる
法人税法や相続税法のボリュームを見て、「国税徴収法なら楽そう」と考える方がいます。
しかし、国税徴収法にも数百時間の勉強が必要です。
暗記が苦手な方にとっては、計算科目より苦痛になる可能性があります。
自分の適性を考えず、ボリュームだけで選ぶと受からない原因になります。
国税徴収法に合格する勉強方法
国税徴収法に合格するには、手続の全体像を理解したうえで理論を暗記し、過去問と答練で答案作成力を鍛えてください。
| 勉強段階 | やること |
|---|---|
| 全体像の理解 | 督促、差押え、換価、配当までの流れをつかむ |
| 個別理論 | 要件・手続・効果を正確に覚える |
| 再暗記 | 忘れる前提で何度も理論を回す |
| 応用理論 | 複数の規定を組み合わせた事例問題を解く |
| 過去問 | 本試験の問い方と頻出論点を確認する |
| 答練 | 受験生の中での順位と答案の精度を確認する |
| 直前期 | 基本理論を高速で回し、書き漏らしをなくす |
最初に徴収手続の流れを理解する
いきなり理論を丸暗記しようとすると、似たような用語や手続が混ざります。
まずは、税金が納付されなかった後の流れを理解してください。
- 納期限を過ぎる
- 督促が行われる
- 財産調査が行われる
- 財産が差し押さえられる
- 差し押さえた財産が換価される
- 換価代金が各債権者へ配当される
今学んでいる規定が、どの段階で使われるものかを意識すると覚えやすくなります。
理論は理解してから暗記する
国税徴収法の理論は、意味を理解せずに文字だけ覚えるとすぐに忘れます。
なぜこの規定があるのか、納税者と他の債権者をどのように調整しているのかを理解してください。
趣旨まで理解していれば、応用問題にも対応しやすくなります。
理論は何十回も繰り返す
理論暗記は一度で完成しません。
- 文章を読んで意味を理解する
- 見ずに口に出す
- 覚えていない部分を確認する
- 答案用紙へ書く
- 翌日、1週間後、1か月後に繰り返す
直前期は、理論テキスト全体を短期間で回せる状態を目指します。
一部の理論だけを完璧にするのではなく、全範囲を何度も繰り返してください。
過去問で設問の聞かれ方を確認する
国税徴収法は、過去問を使った学習が重要です。
同じ規定でも、単純に内容を聞く問題、趣旨を聞く問題、事例へ当てはめる問題があります。
過去問を解いた後は、正解か不正解かだけでなく、次の点を確認してください。
- なぜその理論を書くのか
- 書かなくてよい理論は何か
- 模範解答との差は何か
- どの要件を書き漏らしたか
- 時間内に必要な分量を書けたか
答練では点数より順位を見る
自己採点で80点を取っても、周りが90点なら合格圏外です。
国税徴収法では、答練の点数だけでなく受験生の中での順位を確認してください。
目標は、直前期の答練で安定して上位10%前後へ入ることです。
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関連記事:高卒でも21歳5科目合格できた税理士試験の完全マニュアル【非常識合格法】
国税徴収法をおすすめしない3つの理由
私は、試験範囲が少ないという理由だけで国税徴収法を選ぶことをおすすめしません。実務で使う頻度や合格後の知識の使い道を考えると、他の税法科目を優先した方がよいからです。
おすすめしない理由
- 通常の税理士実務で使用する頻度が高くない
- 徴収実務を経験した税務署OBには実務面で敵いにくい
- 合格後に主要税法を受験すればよかったと心残りになる可能性がある
通常の税理士実務で使用する頻度が高くない
国税徴収法は、税務署が税金を徴収するための手続を定めた法律です。
滞納、差押え、第二次納税義務、倒産などの場面では役立ちます。
しかし、多くの税理士が日常的に行う仕事は次のような業務です。
- 法人税申告
- 消費税申告
- 所得税申告
- 相続税申告
- 年末調整
- 月次決算
通常の顧問業務では、法人税法や消費税法の方が使用頻度は圧倒的に高いです。
税理士として学ぶべきことは数多くあります。
同じ400~800時間を使うのであれば、実務で使う場面が多い科目を勉強した方がよいと考えます。
関連記事:【税理士試験】消費税法の難易度や勉強時間は?半年1発合格税理士が解説
徴収実務を経験した税務署OBには敵わない
国税徴収法は、税務署が行う徴収手続の法律です。
試験で国税徴収法へ合格しても、徴収部門で実際に滞納整理や差押えを経験した税務署OBに、実務経験で勝つことは簡単ではありません。
もちろん、すべての税務署OBが徴収実務に詳しいわけではありません。
ただし、国税徴収法を専門分野にしたいのであれば、試験合格後も実務や関連法令を長期間勉強する必要があります。
合格後に主要税法を受験すればよかったと心残りになる
国税徴収法は、酒税法と並ぶボリュームが少ないミニ税法です。
短期合格だけを考えて選ぶ方もいます。
しかし、税理士になった後で法人税、消費税、相続税の知識が必要になり、「試験で勉強しておけばよかった」と考える可能性があります。
税理士試験は、一度合格した科目が生涯有効です。
だからこそ、単に受かりやすそうな科目ではなく、税理士になった後も使いたい科目を選んでください。
関連記事:【税理士試験】相続税法の勉強時間は?1発合格税理士が解説
国税徴収法を選んでもよい人
国税徴収法を選んではいけないわけではありません。暗記が得意で、受験する目的が明確な方には向いています。
| 国税徴収法が向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 理論暗記が得意な人 | 計算より文章を覚えて書く力が求められる |
| 計算科目が苦手な人 | 簿記や複雑な税額計算がほとんど必要ない |
| 最後の1科目を短い範囲で仕上げたい人 | 法人税法や相続税法より学習範囲は少ない |
| 税法科目の受験経験がある人 | 理論暗記や答案作成の方法をすでに理解している |
| 徴収・滞納・倒産分野に興味がある人 | 学んだ知識を仕事へ活かせる可能性がある |
反対に、税法科目が初めてで、暗記が苦手な方にはおすすめしません。
「計算がないから簡単」と考えている方も、一度理論教材を見てから判断してください。
国税徴収法は独学で合格可能?
国税徴収法へ独学で合格することは可能ですが、予備校や通信講座を使うより厳しいです。自分の答案が合格水準に達しているか判断しにくいからです。
現在は、国税徴収法の市販テキストや問題集もあります。
そのため、教材が一切ないわけではありません。
ただし、独学では次の点が不足しやすいです。
| 独学で不足しやすいもの | 必要な理由 |
|---|---|
| 答案添削 | 書くべき内容や不足している要件を確認するため |
| 答練 | 初見問題への対応力と時間配分を身につけるため |
| 受験生の順位 | 自分が上位10%前後へ入っているか確認するため |
| 改正情報 | 受験年度の法令改正へ対応するため |
| 質問環境 | 条文や手続の疑問を早く解決するため |
国税徴収法は、理論を覚えているかだけでなく、設問に合わせて答案を作れるかが重要です。
独学では、自分の答案に何が足りないのか分かりません。
1年に1回しかない税理士試験で、講座代を惜しんで不合格になる方が大きな損失です。
独学と予備校、通信講座の違いについては、次の記事もご覧ください。
国税徴収法の講座を含め、税理士講座の料金や教材を比較したい方は次の記事をご覧ください。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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国税徴収法よりおすすめの税法科目
実務で役立つ科目を選びたいなら、国税徴収法より法人税法・消費税法・相続税法をおすすめします。
| 科目 | 主に役立つ実務 | 坂根の評価 |
|---|---|---|
| 法人税法 | 法人顧問、法人決算、税務調査 | 税理士実務の中心。所得税法との選択必須科目 |
| 消費税法 | 法人・個人の消費税申告 | 実務で使う頻度が非常に高い |
| 相続税法 | 相続税、贈与税、財産評価、事業承継 | 資産税業務を行うなら役立つ |
| 国税徴収法 | 滞納、差押え、第二次納税義務 | 特定の場面では役立つが、通常業務での使用頻度は低い |
もちろん、国税徴収法を学びたい明確な理由があるなら受験して構いません。
ただし、「ボリュームが少ないから」という理由だけで決めるのはやめましょう。
税理士試験全体の科目選択については、次の記事で解説しています。
関連記事:【税理士試験】おすすめの科目選択を3年5科目税理士が解説
国税徴収法に関するよくある質問
国税徴収法の勉強時間、難易度、合格率、ボーダー、独学について、よくある質問へ回答します。
国税徴収法の勉強時間は何時間ですか?
実際には400~800時間ほど見ておきましょう。予備校公表の100~150時間には、理論暗記や繰り返し学習に必要な時間が十分に含まれていません。
国税徴収法は150時間で合格できますか?
暗記が得意で税法科目の受験経験がある方なら、合格できる可能性はあります。ただし、初学者が150時間で合格できる前提を置くことはおすすめしません。
国税徴収法の難易度はどのぐらいですか?
税理士試験の中では中程度です。ただし、試験範囲が狭い分、受験生の完成度が高く、基本問題のミスが合否へ影響します。
国税徴収法の合格率は何%ですか?
長期的には概ね11~14%で推移しています。令和7年度は受験者1,671人、合格者231人、合格率13.8%でした。
国税徴収法のボーダーは何点ですか?
年度によって異なります。令和7年度の資格の大原による分析では、ボーダーライン65点、合格ライン76点でした。予備校のボーダーは自己採点の目安であり、公式な合格点ではありません。
国税徴収法はなぜ受からないのですか?
試験範囲が少ないため受験生が全範囲を高い水準まで仕上げており、一つのミスで順位が大きく下がるからです。理論を理解するだけでなく、正確に書ける状態まで仕上げる必要があります。
国税徴収法は計算問題がありませんか?
法人税法や相続税法のような計算科目ではありません。ただし、事例問題の中で、差押えや徴収できる金額などを求める設問が出る可能性はあります。
国税徴収法は独学で合格できますか?
可能性はありますが、厳しいです。市販教材はあるものの、答案添削、答練、順位確認が不足しやすいため、予備校や通信講座の利用をおすすめします。
国税徴収法は何月から勉強すべきですか?
確実に合格を目指すなら9月から1月ごろまでに始めましょう。4月以降の開始は、暗記が得意な経験者を除き厳しくなります。
国税徴収法は実務で役立ちますか?
滞納、差押え、第二次納税義務、倒産などの場面では役立ちます。ただし、通常の法人税申告や消費税申告と比べると、日常的に使用する頻度は低いです。
国税徴収法は最後の1科目におすすめですか?
暗記が得意で、主要税法をすでに受験している方には候補です。ただし、試験範囲が少ないという理由だけで選ぶと、理論暗記に苦労する可能性があります。
国税徴収法は400~800時間勉強して合格しよう
国税徴収法へ合格したいなら、予備校公表の100~150時間ではなく、実際には400~800時間ほど見ておきましょう。
国税徴収法は試験範囲が比較的狭い科目です。
しかし、試験範囲が狭い分、受験生が高い完成度まで仕上げてきます。
合格するためには、次の状態を目指してください。
- 徴収手続の全体像を理解する
- 個別理論を正確に覚える
- 忘れた理論を何度も覚え直す
- 応用理論と事例問題を解く
- 過去問で本試験の問い方を確認する
- 答練で上位10%前後へ入る
- 基本問題の書き漏らしをなくす
国税徴収法は、理論暗記が得意な方には向いています。
一方、単にボリュームが少ないという理由で選ぶことはおすすめしません。
同じ数百時間を使うのであれば、法人税法、消費税法、相続税法など、税理士実務で使用する科目を受験した方がよいと私は考えます。
国税徴収法を受験すると決めた方は、独学にこだわらず、講座を使って答案添削や答練まで行いましょう。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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大原やTACの6分の1で勉強を始められる、通信講座専門の「スタディング」。
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税理士試験に落ちないために知っておくべきこと
国税徴収法の勉強時間を確保しても、科目選択や理論暗記、答練の使い方を間違えれば不合格になります。
私は21歳で税理士試験に3年5科目合格しました。
当初は2年で5科目合格を目指していましたが、法人税法に不合格となり、結果として3年での合格になりました。
その失敗を踏まえ、税理士試験に落ちないために知っておくべきこと、専門学校や教材との付き合い方、翌年の勉強で変えたことを有料noteで解説しています。
1年に1回しかない税理士試験で同じ失敗を繰り返したくない方は、勉強を進める前にご覧ください。
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