簿記論の合格に必要な勉強時間の目安は600~1,000時間です。
この記事では、21歳で5科目合格した税理士の坂根が解説します。
ポイント
- 税理士試験の主な受験資格:日商簿記1級を持っているか?
- 簿記論は日商簿記1級より少し難しい。
- 簿記論の合格に必要な勉強時間の目安:600~1,000時間
- 簿記論は合格するだけなら正直簡単。楽勝で合格できないなら税理士になるのは諦めた方が良いかも。
- 独学は厳しいので、テキストを買うのと同料金の格安通信講座「スタディング」を活用しよう
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税理士試験科目、簿記論の勉強時間の目安は?
簿記論の合格に必要な勉強時間は、600時間~1,000時間ほど見ておきましょう。
簿記論の合格に必要な勉強時間の目安は、大原は400時間、TACは450時間と公表しています。
ただ、この目安はどれも甘めに作られています。実際にはこの時間の1.5~2倍ほど見積もっておけば良いでしょう。
もちろん、日商簿記1級の受験経験が無い場合はより多くの勉強時間が必要になる可能性があります。
知識ゼロからでも1,000時間あれば十分だと思いますが、自身の習熟度合いを考えて見積もりましょう。
なお、これから勉強を開始する方は下記の記事をご覧ください。簿記論を含め、他の科目の勉強時間なども公開しています。これから税理士試験の受験を開始される方は下記の記事もご覧ください。
関連記事:税理士試験に21歳で短期5科目合格した勉強方法や勉強時間を大公開
税理士試験の簿記論はどんな試験?
一言で言えば日商簿記検定の延長のような試験ですね。
税理士試験には11科目あり、そのうちの1つとして「簿記論」があります。 簿記論の特徴は次の通りです。
ポイント
- 簿記論は受験必須科目
- 簿記論の出題範囲は商業簿記、工業簿記で原価計算は無し
- 簿記論と日商簿記1級の違いは?→簿記論は中小企業向け、日商簿記1級は大企業向け
- 簿記論の合格率は約15%
- 簿記論の配点は計算100点理論なし、60点以上で合格
- 簿記論の難易度は税理士試験の中では低い
簿記論は受験必須科目
税理士試験は11科目中5科目に合格する選択制の試験となっていますが、簿記論は受験必須科目となっています。
そのため、税理士試験に最終合格(官報合格)するためには、簿記論は必ず受験しなければなりません。
なお、税理士試験を受験するためには受験資格が必要であり、代表的なものとしては日商簿記1級の合格です。
日商簿記1級と税理士試験の簿記論、財務諸表論はある程度試験範囲が被っており、また、日商簿記1級は合格していると経理部などへの就職で有利になります。
日商簿記1級の合格以外にも税理士試験の受験資格になるものはありますが、合格しておいて損はありません。
もしまだ日商簿記1級を持っていないようであれば、税理士試験の簿記論、財務諸表論の合格を目指す前に、日商簿記1級の合格を目指しましょう。
関連記事:【予備校比較】簿記の通信講座はどこがおすすめ?税理士が解説
簿記論の出題範囲は商業簿記、工業簿記で原価計算は無し
簿記論の出題範囲は国税庁ホームページに次の通り公表されています。
「複式簿記の原理、その記帳・計算及び帳簿組織、商業簿記のほか工業簿記を含む。ただし、原価計算を除く。」
要するに、仕訳の作成能力や財務諸表の作成能力が問われるということです。 そのため、日商簿記検定1級の延長線にあると考える方が多いです。
簿記論と日商簿記1級の違いは?
日商簿記1級では原価計算が試験範囲にありますが、簿記論は原価計算が試験範囲にありません。
ただし、その分、商業簿記のレベルは簿記論の方が高めになっています。
これは、日商簿記検定1級が大企業の経理部で使われるような知識で試験範囲が作られているのに対し、簿記論は税理士の多くの顧客である中小企業で使われるような知識で試験範囲が作られているからと言えます。
簿記論合格は簿記二級からだとどのくらい時間がかかる?
簿記二級から簿記論にステップアップする場合は、簿記1級に合格してる人と比べて200時間から400時間程度多く見積もっておくと良いでしょう。
簿記二級と簿記一級では、体感でレベルが10倍くらい違うからです。
簿記論の合格率は約15%
図:国税庁 令和元年度(第69回)税理士試験結果表(科目別)
簿記論は、上図の1番上にあり、令和元年度の合格率が17.4%、平成30年度合格率が14.8%です。
日商簿記1級と比べると合格率は高いですが、簿記論の受験者は、多くが日商簿記1級の合格者です。
そのため、単純比較はできませんが、簿記論の方がすこし難易度が高いと言えます。
簿記論の過去の合格率推移
簿記論の合格率 | |
---|---|
70回 (2020)令和2年度 | 22.6% |
69回(2019)令和元年度 | 17.4% |
68回(2018)平成30年度 | 14.8% |
67回(2017)平成29年度 | 14.2% |
66回(2016)平成28年度 | 12.6% |
65回(2015)平成27年度 | 18.8% |
64回(2014)平成26年度 | 13.2% |
63回(2013)平成25年度 | 12.2% |
62回(2012)平成24年度 | 18.8% |
61回(2011)平成23年度 | 14.8% |
60回(2010)平成22年度 | 12.5% |
59回(2009)平成21年度 | 9.9% |
簿記論の合格率は平成21年度が9.9%ですが、年々あがっており、直近の令和2年度の合格率は22.6%です。
税理士試験の受験生が毎年減少傾向にあることから、試験の入り口である簿記論の合格率を高めに設定し、受験生を増やそうとしているのかもしれません。
これは、税理士試験の受験生にとってはラッキーと捉えて良いでしょう。
いまが勉強を始めるチャンスです。 格安通信講座「スタディング」を活用して、合格を勝ち取りましょう。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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簿記論の配点は計算100点理論なし、60点以上で合格
簿記論の配点は、理論なし、計算100点の計100点満点問題です。 このうち60点以上をとることができれば合格です。
ただ、税理士試験は基本的に100点が現実的でなく、60点~80点ぐらいをいかにとるかが課題になっています。
また、税理士試験は表向き60点合格とされていますが、「A~Eのうち、正解を選べという選択式問題ではなく、記述式試験」であることから、他の受験者と比較されます。
実際に試験官を担当されていた方の声を聞くと、受験生の答案をサンプリングして点数配分を調整したり、合格者を絞ることをされているようです。
そのため、「60点でいいんだ、楽勝じゃん」ではなく、合格率は15%程度ですので、上位15%に選ばれるようきちんと勉強しなければ合格はできません。
簿記論と財務諸表論の違いは?
簿記論と財務諸表論の違いを表にすると次の通りです。
簿記論 | 財務諸表論 | |
理論問題 | なし(計算問題のみ) | あり(記述問題もあるため会計基準などを覚える必要あり) |
計算問題のレベル | 高い | 低い |
税理士試験の財務諸表論と簿記論は範囲が似通っていますが、大きな違いは「理論問題」があるか無いかです。
財務諸表論は会社計算規則や企業会計の諸基準について問われますので、暗記も必要な試験になっています。
一方、簿記論は計算問題のみですので、用語の暗記は求められていません。 どちらが難しいというのは特になく、そんなに違いはありません。
そのため、簿記論も財務諸表論も同時に受験される方が多いです。
わたしも、初年度は簿記論・財務諸表論・消費税法の3科目同時受験を行いました(すべて合格)。
税理士試験は1年に1度しかありませんので、簿記論と財務諸表論はなるべくセットで受けるのが良いでしょう。
関連記事:【税理士試験】財務諸表論の合格に必要な勉強時間は1000時間
簿記論の難易度は税理士試験の中では低い
簿記論の難易度は、税理士試験の中では低いです。
日商簿記1級に合格しているのであれば、そこまでの勉強量を要さず合格できる試験です。
ただ、簡単かと言われればそうではありません。試験範囲が違ううえに問題の傾向も全然違うからです。
なかには、簿記検定1級を突破せずに税理士試験の受験資格を獲得している方(法律学部、経済学部の3年生以上など)もいますが、その場合は、きちんと勉強しなければ合格は難しいです。
ちなみに税理士試験では、試験後に大原などの専門学校が解答速報を配っています。
その解答速報には、以下の2つの基準が設けられていますので、自己採点し、合格できそうかどうかの目安にすることができます。
- ボーダーライン(この点数以上をとれたなら合格できる可能性がある。専門学校基準の配点で60点ぐらい)
- 合格確実ライン(この点数以上をとれたなら確実に合格できると考えられる。専門学校基準の配点で80点ぐらい)
ふつう、税理士試験の科目では合格確実ラインを超えることは現実的ではありません。
ただ、簿記論は難易度がそこまで高くありませんので、合格確実ラインを目指すことができます。
私は、簿記論の合格確実ラインを大きく超えていましたので、恐らく5~10か所ぐらいミスをしても合格できる可能性があったと思いますが、法人税法や消費税法など他の税法科目だとミスが許されるのは2つが限界のレベルです。
お伝えしたいことは、ミスしても合格できる簿記論は、きちんと勉強していれば合格できる難易度だということです。
関連記事:税理士試験の法人税法の難易度は?3年で5科目合格した税理士が解説
簿記論の受験者層は?
簿記論の受験者層は、他の税理士試験科目に比べるとレベルは高くありません。
簿記論の受験者数は他の科目より圧倒的に多く、先ほどの図によると11,784人です。
日商簿記1級の第156回(2020.11.15)試験の受験者数が10,078名であることを考えると、同じぐらいの数の方が受験していることがわかります。
税理士試験の登竜門として受験する方、記念受験する方も多いので、税理士試験の他の科目に比べると受験者のレベルは高くありません。
簿記論と財務諸表論は同時に受験すべき?
はい、簿記論を受験するのであれば、財務諸表論も同時に受験することをおすすめします。
簿記論と財務諸表論は試験範囲が被っているからです。 財務諸表論は計算と理論が50点ずつの試験となっていますが、計算問題については簿記論と試験範囲が大きく被っています。
※財務諸表論の計算問題は簿記論の計算問題に比べれば難易度が若干低めです。
科目選択をどうしたら良いか迷っている方は下記の記事をご覧ください。わたしの実際の受験の順番など公開しています。これから税理士試験を受験される方は下記の記事をご覧ください。
関連記事:【税理士試験】おすすめの科目選択について税理士が解説
簿記論は簡単
簿記論簡単過ぎやでほんま
— かねち (@kanetake9011) April 26, 2018
簿記論余裕~ 100点近い点数は取れたかな
— かげ子 (@ka__ry3) August 3, 2016
さすがに試験本番で100点はむずかしいですが、受験した結果「簡単だ」と思えるぐらいであれば上位5%程度には入れますし、余裕で合格できます。
簿記論は、頑張ればだれでも合格できる試験科目です。
簿記論は独学で合格可能?
簿記論は独学で合格できないことは無いと思います。
ただ、効率は悪いですし、1年間もモチベーションが続きませんので予備校を活用することをお勧めします。
最近では、大手予備校の6分の1の価格でテキストに講義に問題集に模擬試験までついて数万円の格安通信講座「スタディング」もあります。
正直、この料金で勉強できるなら独学するのが馬鹿らしいです。お金がないならスタディングで勉強を開始しましょう。
関連記事:【税理士試験】格安通信講座スタディングの評判を21歳5科目合格税理士が解説
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税理士試験に落ちないために知っておくべきこと
「税理士試験の合格が21歳なんて早い!羨ましい!」そう思う方もいるでしょう。
このnoteは、2年で5科目合格を目指したものの、残念ながら法人税法に不合格になった経験(=3年で5科目合格となった経験)から、税理士試験に落ちないために知っておくべきことを本音で語っています。
本音を言えば無料で公開してもよいのですが、 専門学校に対する批判なども含んでおり、あまり公にしたくない内容となっています。
そのため、税理士試験に合格したいと本気で思っている方限定で有料公開することとしました。
本気で一発合格を目指す方は下記の記事をご覧ください。税理士試験に合格するための秘訣がわかります。
1年に1回しかない税理士試験、本気で合格したい方は今すぐ読んで税理士試験に一発合格してください。
\一発合格したい方限定!/